締め日と支払日とは?「月末締め・翌月末払い」の意味と支払条件の見方
見積書や請求書に「月末締め・翌月末払い」「20日締め・翌月10日払い」と書かれていることがあります。
これは、いつまでの取引をまとめて、いつ代金を支払うかを定めた「支払条件」です。
初めて取引書類を扱う人にとっては、特に「締め日」と「支払日」の違いや、「翌月」「翌々月」の数え方が分かりにくいかもしれません。
この記事では、支払条件の読み方を具体的な日付で説明し、支払方法や休日の扱い、法律で定められた支払期限について紹介します。
締め日と支払日の違い
「締め日」は、請求する取引を一定期間ごとにまとめるための区切りの日です。「支払日」は、その代金を支払う日です。
例えば、「月末締め・翌月末払い」という条件で取引している場合、10月中の対象取引を10月31日に締め、11月30日に代金を支払います。
10月中に何度か商品を購入し、その合計金額が300,000円だったとすると、次のような流れになります。
| 日付・期間 | 内容 |
|---|---|
| 10月1日~31日 | 対象となる取引の期間 |
| 10月31日:締め日 | 10月分の取引を集計(合計300,000円) |
| 11月30日:支払日 | 10月分の代金300,000円を支払う |
※休日による支払日の変更を考慮しない、一般的な支払条件の例です。
締め日までの取引を集計した後、販売側が請求書を発行し、購入側が定められた支払日に代金を支払うという流れがよく使われます。
ただし、締め日と支払日を設けず、納品のたびに請求・支払いを行う取引や、代金を前払いする取引もあります。
支払条件の読み方と具体例
支払条件は、「いつ締めるか」と「締めた月から何か月後に支払うか」を組み合わせて表します。
月末締め・翌月末払い
毎月末日を締め日とし、翌月の末日に支払う条件です。
10月分の取引なら、10月31日に締めて、11月30日に支払います。
20日締め・翌月10日払い
毎月20日を締め日とし、翌月10日に支払う条件です。
例えば、10月20日締めの場合、通常は9月21日から10月20日までの取引をまとめ、11月10日に支払います。
月末締めとは異なり、前月21日から当月20日までが集計期間になる点が特徴です。
月末締め・翌々月末払い
毎月末日に締めて、翌々月の末日に支払う条件です。
例えば、10月31日に締めた代金は、12月31日が暦上の支払基準日となります。
翌月末払いよりも支払いまでの期間が長くなるため、販売側が代金を受け取る時期も遅くなります。ただし、この条件を利用できるかどうかは、取引に適用される法令などにも左右されます。
支払条件の比較
月末締め・翌月末払い
- 集計期間
- 10月1日~31日
- 締め日
- 10月31日
- 支払基準日
- 11月30日
20日締め・翌月10日払い
- 集計期間
- 9月21日~10月20日
- 締め日
- 10月20日
- 支払基準日
- 11月10日
月末締め・翌々月末払い
- 集計期間
- 10月1日~31日
- 締め日
- 10月31日
- 支払基準日
- 12月31日
本文の一般的な支払条件の例です。休日による調整は含めていません。翌々月末払いを含め、法令上の支払期限を超える条件は、その取引には適用できません。
| 支払条件 | 対象となる取引期間 | 締め日 | 支払基準日 |
|---|---|---|---|
| 月末締め・翌月末払い | 10月1日~31日 | 10月31日 | 11月30日 |
| 20日締め・翌月10日払い | 9月21日~10月20日 | 10月20日 | 11月10日 |
| 月末締め・翌々月末払い | 10月1日~31日 | 10月31日 | 12月31日 |
※いずれも取引期間の一般的な区切り方を示した例です。休日による調整は含めていません。また、法令上の支払期限を超える条件は、その取引には適用できません。
会社の会計上の月末と、取引先との締め日が一致するとは限りません。請求書を作成するときや受け取ったときは、取引先ごとの支払条件を確認してください。
支払条件で確認しておきたい項目
支払条件には、締め日と支払日のほかにも、代金の支払いに関する取り決めがあります。
支払方法と前払い・後払い
代金の支払方法には、銀行振込などがあります。
また、商品を受け取る前に支払う「前払い」と、納品後に支払う「後払い」があります。
例えば、特注品の製作で代金の一部を前払いし、完成後に残額を支払うといった条件を設ける場合もあります。
振込手数料の負担
銀行振込では、振込手数料をどちらが負担するかも確認する必要があります。
ただし、取適法の対象取引では、支払う側が振込手数料を受け取る側に負担させることは禁止されています。
「従来から取引先の負担にしている」といった慣習だけで判断せず、取引条件と適用される法律を確認してください。
支払日が土日・祝日に当たる場合
支払日が銀行の休業日と重なる場合、前営業日に繰り上げるか、翌営業日に繰り下げるかは、取引先との取り決めによって異なります。
例えば、月末締め・翌月末払いで、支払日が日曜日に当たる場合です。
前営業日払いなら直前の金曜日、翌営業日払いなら翌日の月曜日が支払日になります。ただし、祝日などが重なる場合は日付が変わります。
法令によって支払期限が定められている取引では、休日による繰り下げにも条件があるため、契約だけで自由に延期できるわけではありません。
請求書の提出期限と請求対象の基準日
月末締めの取引では、販売側に「翌月5日までに請求書を提出してください」などの期限を設けていることがあります。
また、請求対象を納品日で区切るのか、検収完了日で区切るのかによって、請求する月が変わる場合があります。
例えば、10月30日に納品し、11月2日に検収が完了した商品について、検収完了日を基準に請求する契約なら、11月分の請求対象になることがあります。
ただし、法律で支払期限が定められている取引では、社内の検収や請求書提出の都合によって、その期限を延ばせるとは限りません。
取適法が適用される取引の支払期限
これまで紹介した支払条件は、取引先との取り決めによって決まる一般的な例です。
一方、製造委託などの一定の取引では、法律によって支払期限が定められています。
2026年1月1日に施行された「取適法(中小受託取引適正化法)」では、対象となる委託取引について、委託事業者は物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間に支払期日を定める必要があります。
支払期限の基準は、原則として受領日
例えば、部品の製造を外部の会社へ委託した場合、納品された部品を受け取った日が、原則として支払期限を数える起点になります。
その後に検収を行っても、検収が終わった日から改めて60日を数え始めるわけではありません。
- 受領日
原則として起点
- 検収日
受領より後の確認
- 支払期日
受領から60日以内のできる限り短い期間
受領日から支払期日まで
60日以内のできる限り短い期間
- 受領日: 委託した物品等を受け取った日。原則として支払期限の起点になる
- 検収日: 受け取った物品等が注文条件に合っているか確認した日
- 支払期日: 原則として受領日から60日以内のできる限り短い期間に設定する
取適法の対象となる製造委託などを想定した説明図です。取引の種類によっては、役務の提供日などが起点となります。
なお、月単位の締切制度を採用する場合、取適法の運用では「60日以内」を「2か月以内」として扱うため、「月末締め・翌月末払い」が認められる場合があります。
一方、「月末締め・翌々月末払い」など、受領から支払までの期間が長くなる条件は、取適法の対象取引では支払遅延となる可能性があります。
すべての売買取引に取適法が適用されるわけではない
取適法の対象になるかどうかは、取引の種類や当事者の資本金・従業員数などの条件によって決まります。
例えば、販売店が仕入先から既製品を購入する通常の売買取引と、部品の製造を別の会社へ委託する取引では、適用されるルールが異なる場合があります。
支払条件を確認するときは、まず契約で定められた締め日・支払日を読み取り、その取引に法律上の支払期限がある場合は、定められた期限を守る必要があります。
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