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取引書類は何年保存する?保存期間と数え方・廃棄の判断

会社で保管している古い注文書や請求書を整理するとき、「何年前の書類まで残しておけばよいの?」と迷うことはありませんか?

法人が取引に関して作成・受領した書類には、法律で保存期間が定められているものがあります。

法人税関係の帳簿書類は原則7年間の保存が必要ですが、10年間保存する場合もあります。また、保存期間は書類を作成した日から数えるわけではありません。

この記事では、保存が必要な取引書類の種類や保存期間、期間の数え方、廃棄する際の確認事項について紹介します。

保存が必要な取引書類とは?

会社では、商品やサービスを売買する際に、見積書・注文書・納品書・請求書・領収書など、さまざまな書類を使用します。

法人税では、取引に関して作成した書類や取引先から受け取った書類などを、一定期間保存する必要があります。

主な取引書類には、次のようなものがあります。

書類記録される内容
見積書取引前に提示した価格や条件
注文書・発注書注文した商品や数量、金額
契約書取引先と合意した契約条件
納品書納品した商品や数量
請求書請求した商品・サービスや金額
領収書代金を受け取った事実や金額

これらの書類は、取引内容や金額の根拠を確認するために使用します。

例えば、注文書ではモニター10台の購入代金が220,000円となっているのに、請求書では設置作業費が追加され、請求金額が異なっていたとします。

この場合、注文書と請求書だけでなく、追加作業について合意した記録も残しておくと、後から金額が変わった理由を確認できます。

担当者が注文書、請求書、条件変更の記録を一つの取引として整理する場面。

一つの取引に関する書類をまとめて保管する場面

取引番号や注文番号などを使って関連する書類を結び付けておくと、必要な記録を探しやすくなります。

法人税関係の書類は原則7年間保存する

法人税関係の帳簿書類は、原則として7年間保存する必要があります。

対象となるのは、注文書・契約書・領収書などの取引書類のほか、総勘定元帳や仕訳帳といった会計帳簿などです。

ただし、すべての事業年度で保存期間が7年間になるわけではありません。

例えば、青色申告書を提出した事業年度に欠損金額(税務上の赤字)が生じた場合、その事業年度の帳簿書類は10年間の保存が必要です。

対象法人税関係の保存期間
通常の事業年度の帳簿書類原則7年間
青色申告を行い、欠損金額が生じた事業年度の帳簿書類10年間

※2018年4月1日より前に開始した事業年度で、欠損金額が生じた一定の場合は9年間となります。また、災害損失金額が生じた事業年度などにも10年間保存が必要となる場合があります。

保存期間は、書類を作成した年だけではなく、どの事業年度の取引に関する書類なのかによって管理します。

参考:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」

保存期間はいつから数える?

法人税関係の帳簿書類は、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から保存期間を数えます。

例えば、3月決算の会社で、2024年3月31日に終了した事業年度の書類を保存する場合を考えてみましょう。

この会社の法人税の確定申告書の提出期限が2024年5月31日であれば、保存期間はその翌日の2024年6月1日から始まります。

3月決算法人の保存期間の例

項目日付
事業年度2023年4月1日~2024年3月31日
決算日2024年3月31日
確定申告書の提出期限2024年5月31日
保存期間の起算日2024年6月1日
原則7年間の保存期限2031年5月31日
10年間保存する場合の期限2034年5月31日

※確定申告書の提出期限に延長がなく、上記の期間が適用される場合の例です。

同じ事業年度の書類は、同じ起算日から数える
2023年4月注文書2024年3月請求書
どちらも2023年度の書類2023年4月1日~2024年3月31日
事業年度の終了2024年3月31日
確定申告書の提出期限2024年5月31日
翌日が起算日2024年6月1日

原則7年間

7年間保存

2024年6月1日 ~ 2031年5月31日

10年間保存する場合

10年間保存

2024年6月1日 ~ 2034年5月31日

書類ごとの作成日から7年を数えるのではなく、その事業年度の申告期限の翌日から数えます。

本文の3月決算法人の例です。対象事業年度は2023年4月1日~2024年3月31日、申告期限の延長がない場合を示しています。10年の帯は、青色申告で欠損金額が生じた事業年度など、法人税上10年保存となる場合です。

各帯の末日は法人税上の保存期限です。ほかの法律・契約・社内規程なども確認して廃棄を判断します。

書類の作成・受領 → 事業年度の終了 → 確定申告書の提出期限 → 翌日から保存期間を数える

例えば、2023年4月に作成した注文書も、2024年3月に作成した請求書も、同じ事業年度に属する書類であれば、原則として同じ起算日から保存期間を数えます。

書類に記載された日付から個別に7年間を数えるのではない点に注意してください。

また、会社によって決算月が異なるため、3月決算の会社と12月決算の会社では、保存期間の起算日も異なります。

7年を過ぎれば書類を廃棄してもよい?

法人税関係の保存期間が終了しても、すぐに廃棄できるとは限りません。

書類によっては、法人税以外の法律でも保存が求められるためです。

例えば、株式会社では、会社法によって会計帳簿と事業に関する重要な資料を、会計帳簿の閉鎖の時から10年間保存することが定められています。

また、消費税の仕入税額控除に必要な帳簿や適格請求書等についても、保存に関する規定があります。

関係する法律・ルール保存期間を確認する際のポイント
法人税法原則7年間。一定の場合は10年間
消費税法仕入税額控除に必要な帳簿・請求書等の保存期間や起算日
会社法株式会社の会計帳簿と事業に関する重要な資料は原則10年間
社内規程・契約条件法律とは別に、保管期間が定められている場合がある

すべての取引書類が会社法上の10年保存の対象になるわけではありませんが、「法人税の7年間が終わった」という理由だけで、一律に廃棄しないことが重要です。

取引先との契約が継続している書類や、未解決の請求・支払に関する記録なども、必要に応じて引き続き保管します。

取引書類の整理・保存・廃棄方法

保存期間を守るだけでなく、必要なときに書類を探せるようにしておくことも大切です。

例えば、取引先ごとに書類を整理する方法や、事業年度ごとにファイルを分ける方法があります。

さらに注文番号や請求書番号などを使って、同じ取引の書類を関連付けておくと、後から内容を照合しやすくなります。

紙と電子データでは保存方法が異なる

紙で受け取った書類は、紙のまま保管する方法があります。また、一定の要件を満たしてスキャナ保存を行う方法もあります。

一方、メール添付のPDF請求書など、電子的にやり取りした取引データは、電子帳簿保存法の定める方法で電子データとして保存する必要があります。

電子取引データを紙に印刷するだけでは、原則として電子データの保存義務を満たせません。

電子取引データの具体的な保存方法については、別記事「電子取引データとは?保存方法と電子帳簿保存法の基本ルール」で紹介します。

保存先と廃棄のルールを決めておく

会社で保管する書類は、保存場所と保存期限を管理しておくと、年度ごとの整理や廃棄の判断がしやすくなります。

例えば、次のような管理表を用意する方法があります。

保存管理の記録例説明用見本
対象書類・事業年度
取引書類/対象の事業年度
紙の保存先
所定の保管ファイル
電子データの保存先
会社指定の保存場所
起算日・保存期間
適用する規定と起算点
廃棄の判断者
社内で定める担当者
保存先・起算点・廃棄判断者を残す管理表保存場所と判断の担当を残す例です。年度だけから自動的に廃棄日を決めるものではありません。
管理項目記入例
対象書類注文書・請求書・領収書など
対象事業年度2023年4月~2024年3月
紙の保存先2023年度取引書類ファイル
電子データの保存先会社指定の文書保存場所
保存期間・起算日適用する法律に基づいて記録
廃棄の判断者経理・文書管理責任者など

このように、書類の種類と対象年度、保存場所を記録しておくことで、古い書類の整理にも役立ちます。

保存期間が終了した書類を廃棄する際には、ほかの法律や契約条件による保存義務が残っていないか確認し、社内の管理ルールに従って判断してください。