吸音率
読み方:きゅうおんりつ
材料や構造へ入射した音のエネルギーのうち、反射して戻らなかった分の割合です。音の反射をどの程度抑えるかを表し、理想化した考え方では、すべて反射すれば0、反射しなければ1となります。人が感じる音量の減少率を表す数値ではありません。
反射しなかったエネルギーには、材料の内部で熱などへ変わった分のほか、対象とする構造によっては向こう側へ透過した分も含まれます。このため、吸音率が高いことは、そのまま音を通しにくいことを意味しません。反射を抑える吸音と、透過を抑える遮音は異なる働きです。

同じ材料でも、音の周波数、材料の厚さ、背後に設けた空気層、取り付け方によって吸音率は変わります。細かな隙間を持つ材料、板の振動を使う構造、共鳴を利用する構造では、吸音しやすい音の範囲も異なります。
測定には、音を一定方向から当てる方法や、残響室を使う方法などがあります。測定条件の違いは結果に影響し、残響室法では見かけ上1を超える値が得られる場合もあります。室内全体の響き方は、こうした吸音特性に加え、材料を配置した面積や位置との組み合わせで決まります。