張地・クッション材の用語

張地

読み方:はりじ

椅子やソファの座面、背もたれなどを覆う表面材です。布、メッシュ、合成皮革、本革などが使われ、触れたときの感触、色や模様、表面の通気のしやすさなどに関係します。

張地と、その内側にあるクッション材は別の部材です。クッション材は沈み込みや身体の支え方に、張地は表面の触感や見え方に関わります。同じ布張りでも、内部のウレタンの形や厚さが変われば、座った感覚は異なります。メッシュでは、張地自体の張力を身体の支持に利用する構造もあります。

椅子の表面を覆う張地と、内側のクッションの関係を示す例です。
椅子の表面を覆う張地と、内側のクッションの関係を示す例です。

布は織物や編物などからできており、糸や織り方によって表情が変わります。合成皮革は布などと樹脂層を組み合わせ、本革は動物の皮をなめしてつくります。これらは材料の成り立ちが異なる分類で、同じ分類の中にも、摩耗や薬品への対応が異なる種類があります。

張地を家具へ固定する方法にも違いがあります。外して扱えるカバー式、内部の部材へ張り込む構造、座や背を部品として交換する構造などです。張地という言葉は、家具の表面を覆う材料を表し、内部のクッションやフレームを含む家具全体の構造とは区別されます。

←もどる

合成皮革

読み方:ごうせいひかく

布などの基材に樹脂の層を設け、革に似た見た目や触感をつくった材料です。「合皮」とも呼ばれ、椅子やソファの張地に使われます。表面のしわ模様、色、光沢などを加工によって調整できます。

表面の樹脂には、ポリウレタン系や塩化ビニル系などがあります。基材のつくり、樹脂の配合、表面の加工によって、柔らかさや伸び方、汚れや薬品に対する性質が変わります。基材と樹脂の層が組み合わさって、張地としての強さと表面の性質を持たせています。

表面層と基布を分けて示した合成皮革の模式図です。層の厚さは実寸比ではありません。
表面層と基布を分けて示した合成皮革の模式図です。層の厚さは実寸比ではありません。

本革は動物の皮をなめしてつくるため、材料の成り立ちが異なります。また、「人工皮革」は、繊維が絡み合う構造などによって天然皮革に近い組織を再現した材料を指す場合があり、一般的な合成皮革とは基材の構成が異なります。名称の使い方には幅がありますが、革に似ている材料がすべて同じ構造というわけではありません。

樹脂層の劣化は、ひび割れ、べたつき、剥がれなどとして現れることがあります。ポリウレタン系では、水分が関わる加水分解も一因です。使用中の摩擦だけでなく、保管している間の温度や湿度なども、材料の変化に関係します。

←もどる

本革

読み方:ほんがわ

動物の皮をなめし、材料として使える状態にした革です。家具では椅子やソファの張地に使われます。天然の皮を原料とするため、表面の模様や厚み、色の入り方に違いがあります。

なめしは、皮を腐敗しにくくし、柔軟さなどを持つ材料にする加工です。さらに染色や塗装、表面を整える加工などを施します。自然な模様を生かす仕上げと、表面を均一に整えた仕上げでは、見た目や触感、汚れへの性質が変わります。「本革」という名称だけで、特定の風合いや光沢が決まるわけではありません。

革の表面と裏側の質感を見せた例です。外観だけで等級や耐久性を示すものではありません。
革の表面と裏側の質感を見せた例です。外観だけで等級や耐久性を示すものではありません。

合成皮革は、布などの基材と樹脂層で革に似た表面をつくる材料です。本革との違いは、表面の模様だけでなく、内部を構成する材料にもあります。また、一つの家具で身体に触れる座や背には本革、それ以外の側面などには別の張地を使う構成もあります。

革の色や表情は、摩擦、光、水分などによって変化します。変化の現れ方には、原料の皮だけでなく、なめしや表面仕上げも関係します。座り心地は革単体ではなく、その下のクッションや張り方との組み合わせによって生まれます。

←もどる

モールドウレタン

読み方:もーるどうれたん

金型の中で発泡させ、一定の形に成形したウレタンフォームです。椅子の座面や背もたれなどのクッションに使われ、立体的な輪郭や部分ごとの厚みを、成形時につくれます。

大きなフォームの塊から切り出す方法に対し、モールド成形は金型の形に合わせて材料を発泡させます。座面の中央と左右で厚みを変える、前端を薄くするなど、身体を支える面の形をそろえてつくる際に用いられます。「モールド」は成形の方法を表し、特定の硬さを示す名称ではありません。

張地・成形されたウレタンクッション・支持部を分けて示した構成例です。
張地・成形されたウレタンクッション・支持部を分けて示した構成例です。

フォームの性質には、密度、硬さ、厚みなどが関係します。密度は一定の体積に含まれる材料の量、硬さは押したときの変形のしにくさに関わる指標です。厚みは、沈み込む量や、下の構造までの距離に関係します。これらは別々の性質で、高密度であることを、そのまま硬さや耐久性の数値に読み替えることはできません。

完成した椅子では、フォームの上に布や皮革などを張り、下を座板やフレームで支えます。張地の張り具合や下側の支持構造も、座った感触に影響します。

←もどる