家具の部材・連結の用語
天板
読み方:てんばん
机やテーブルの上部にある、物を置いたり作業したりする板状の部分です。表面の仕上げ、内部の芯材、端の処理などを組み合わせ、下から脚やフレームで支えます。
表面と内部が同じ材料とは限りません。天然木から切り出した板を使うものもあれば、合板やMDFなどの下地に薄い天然木やメラミン化粧板を貼るものもあります。似た木目に見えても、天然の模様か印刷かで、表面のつくりは異なります。

端の面を「木口」といい、別の材料を貼ったり、樹脂で覆ったりして仕上げます。裏面に、たわみを抑えるフレームや補強材を付けるものもあります。厚く見えても中が空洞だったり、端だけを厚く見せたりする天板もあるため、見た目の厚さだけで荷重を支える性能は決まりません。
天板は、モニターアームなどを取り付ける部分にもなります。クランプで縁を上下から挟むと、物を表面に置く場合と違って、狭い部分に力が集まります。縁の傾斜、内部構造、裏側の補強材などによって固定方法が変わります。物を置く面と、機器を取り付ける部分では、受ける力も異なります。
幕板
読み方:まくいた
机やテーブルの天板下に、垂直に取り付ける板状の部材です。オフィス家具では、座った人の足元や配線を隠すものが代表的です。構造によっては机を補強する役割もあります。

正面から机の下を見えにくくするため、会議テーブルや受付側を向く机などに使います。天板の上に立てるデスクトップパネルが机上の視線や隣席との境界をつくるのに対し、幕板は主に机の下を隠します。
取り付ける位置や高さによって、足先を動かせる範囲は変わります。天板の奥側に付くもの、中央に近いもの、床との間が大きく空いたものなどがあります。天板の奥行きが同じでも、幕板が手前にあるほど足を前へ伸ばせる範囲は狭くなります。
後付けの目隠し板と、脚同士をつないで机を補強する板では、役割が異なります。補強する部材を外すと、机全体の安定性に影響します。取り外せるかどうかは名称だけでは分からず、目隠しと補強のどちらを担うかを、製品の構造で判断する必要があります。
配線孔
読み方:はいせんこう
机の天板などに開けた、ケーブルを通すための穴です。机の上から天板下に配線を下ろし、天板の外側を回り込むコードを減らします。

円形の穴にキャップを付けるものや、長方形の開口部をふたで覆うものがあります。キャップの切り欠きからコードを出したり、ブラシ状の部材で配線の周りを覆ったりするものもあります。大きな開口部の下に配線収納を備え、上から機器を接続できるデスクもあります。
ケーブルの先端にプラグやコネクターが付いている場合は、それも穴を通す必要があります。コードが細くても、先端の形や大きさによっては通せません。通すために必要な開口寸法は、ケーブル本体の太さだけでは決まりません。
配線孔はケーブルを通す入口で、余った部分を収めるダクトや、床までの経路を整えるガイドとは役割が異なります。モニターアームをボルトで固定する穴とも別です。固定には穴の周囲で荷重を受ける構造が必要なため、配線を通せる穴でも、アームを取り付けられるとは限りません。
ケーブルガイド
読み方:けーぶるがいど
ケーブルの通る位置や曲がり方を整える部材です。オフィス家具では、天板から床へ下りるコードをまとめたり、昇降デスクの動きに合わせて配線を曲げたりするために使われます。
関節状の部材をつないだものは、天板の位置に合わせてガイド自体が曲がります。机を上げると床までの距離が長くなり、下げるとケーブルが余りますが、ガイドが形を変えて、コードがばらばらに垂れるのを抑えます。机の脚に沿わせるカバー型や、通す位置を決めるクリップ型などもあります。

結束具は複数のコードを一つに束ねる部材です。ケーブルガイドは、束ねることに加え、コードをどこに通し、どちらに曲げるかを整えます。配線ダクトがケーブルを納める空間をつくるのに対し、ガイドは上下方向や動く部分の経路によく使われます。
ガイドを取り付けても、ケーブル自体が伸びるわけではありません。昇降式では、天板を上げたときに必要な長さと、下げたときに余る部分の収まり方も関係します。また、固定した配線用と繰り返し動く配線用ではガイドの構造が異なり、すべてが昇降に対応するわけではありません。
アジャスター
読み方:あじゃすたー
家具の脚先などに付けて、高さを微調整する部品です。ねじを回して床に接する位置を変える構造が代表的で、床のわずかな高低差によるがたつきや傾きを調整します。
四本脚の家具で一つの脚だけが床に届いていないと、重さをかける位置によって家具が揺れます。アジャスターは各脚の長さを少しずつ変え、床に接する位置を整えます。床自体を直すのではなく、家具の据え付けを調整する部品です。

昇降デスクは、作業する人や姿勢に合わせて天板の高さを変えます。アジャスターは主に、家具を据え付けるときの微調整に使います。大きく伸ばして立ち作業用の高さにするものではありません。ねじが十分にかみ合う長さを確保する必要があり、調整できる範囲は製品によって決まります。
キャスターは家具を動かす車輪で、アジャスターは床に接する位置を整える部品です。両方を備える家具もあります。書庫やロッカーでは、据え付けが傾くと扉や引き出しの動きにも影響します。
デスクトップパネル
読み方:ですくとっぷぱねる
机の上や縁に取り付ける、板状の仕切りです。向かいや隣の席からの視線を遮ったり、一人分の作業スペースを区切ったりします。主に机の下を覆う幕板とは、取り付ける位置が異なります。

正面に付けるパネルは向かいの席との間を、側面に付けるパネルは隣の席との間を区切ります。机の上の書類を隠す高さか、座った人の顔まで隠す高さかによって、周囲の見え方は変わります。座っているときと立っているときでも、視線が通る範囲は異なります。
不透明な板は向こう側を見えにくくし、透明な板は視界を保ちながら間を区切ります。布張りのものや、内部に吸音材を使ったものもあります。吸音性能のある製品は音の反射を抑えますが、音はパネルの上や横から回り込むため、視線を遮るだけで会話も遮れるわけではありません。
天板に金具で固定するタイプと、机の上に台座を置くタイプでは、作業面の使い方も変わります。パネルの厚みや台座が机の上の一部を占めるほか、配線孔やモニターアームと取り付け位置が重なることもあります。
連結機構
読み方:れんけつきこう
複数の家具をつなぐ仕組みです。椅子を列にそろえる、並べたテーブルのずれを抑える、収納を上下や左右につなぐなど、家具によって目的や構造が異なります。
会議用の椅子では、脚などをつないで左右の間隔を保ちます。テーブルでは、隣り合う天板の位置や隙間が変わりにくいように接続します。収納家具では、上下や左右に並べた本体を、ねじや金具で固定するものがあります。

頻繁に配置を変える家具には、工具を使わず着脱できる金具が付く場合があります。設置後の組み合わせを保つ家具では、ねじなどで固定する方式を使います。日常的に外せるものと、設置作業で固定するものがあります。
家具の位置ずれを抑える連結と、地震時の転倒を防ぐ固定は別です。横につないだ収納でも、壁や床への固定が必要な場合があります。また、接続部が似ていても寸法や支える力は異なるため、つなげる家具、方向、用途は製品ごとに指定されています。