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AIによる人物・車両検知と録画検索

最近の防犯カメラには、AIを使って人物や車両を検知したり、録画映像から特定の場面を探したりする機能があります。例えば、閉店後の店舗に人が入ったときにスマートフォンへ通知したり、昨日の録画から車両が通過した場面だけを探したりすることができます。こうしたAI機能を利用すると、担当者が常に映像を見ていなくても、必要な出来事に気づいたり、過去の録画を効率よく調べたりできます。

この記事では、防犯カメラのAI検知の仕組みや、人物検知・顔識別の違い、通知機能や録画映像の検索方法について紹介します。

AI検知の主な機能

防犯カメラのAI検知とは、撮影した映像をAIが解析し、人物や車両などの対象を見つける機能です。例えば、店舗の出入口に設置したカメラで人物を検知したり、駐車場のカメラで車両が通過したことを検知したりできます。AIで検知した結果は、担当者への通知や、録画映像の検索などに利用できます。

機能できること使用する場面
AI検知人物や車両などを映像から見つける閉店後に人が入ったことを検知する
通知検知した結果を担当者へ知らせるスマートフォンへ通知する
映像検索過去の録画から条件に合う場面を探す昨日、荷物を運んだ人物の映像を探す
顔識別顔の特徴を登録情報などと照合し、特定の人物を識別する登録した人物との照合など

例えば、閉店後の侵入を知りたい場合は、AI検知と通知の組み合わせが役立ちます。一方、商品や荷物がいつ運ばれたのかを調べたい場合には、録画映像の検索機能が便利です。

AIによる検知は、カメラ本体で行う方式のほか、録画装置やクラウド上で処理する方式もあります。利用できる機能は、カメラとシステムの組み合わせによって異なります。

人物・車両検知の仕組み

AI検知では、映像に映っている対象を解析し、人や車両などに分類することができます。例えば、店舗の出入口を撮影している場合、人物が通過したことを検知し、その時刻を記録する仕組みがあります。駐車場では、車両を検知して入出庫の状況を確認する用途にも利用できます。

動体検知と人物検知の違い

防犯カメラには、以前から「動体検知」という機能があります。動体検知は、映像の中に動きや変化があったことを見つける機能です。例えば、人が通ったときだけでなく、風で木が揺れたり、車のライトによって明るさが変わったりした場合にも反応することがあります。

一方、AIによる人物検知は、映像に映っている対象を人として認識する機能です。

機能検知する内容
動体検知映像内の動きや変化
人物検知人物として認識した対象
車両検知車両として認識した対象

例えば、店舗の入口に人が来たことだけを知りたい場合は、人物検知を利用すると、木の揺れなどによる不要な通知を減らすことができます。また、人物と車両を区別できる機種では、人だけ、車両だけといった条件で検知することもできます。

指定エリアへの立ち入り検知

AIカメラには、映像の中に検知する範囲を設定できるものがあります。例えば、倉庫の重要な保管エリアを指定し、その範囲へ人物が入った場合に検知する方法です。

また、映像上に仮想的な線を設定し、人や車両がその線を越えたことを検知する機能もあります。このような機能は、次のような場面で役立ちます。

  • エリア侵入検知:指定した区域へ人物や車両が入ったことを検知する
  • ライン通過検知:設定した線を人物や車両が越えたことを検知する
  • 滞留検知:指定した場所に一定時間とどまっている対象を検知する

例えば、店舗の裏口にラインを設定すると、人物がその線を越えた場面を検知できます。また、関係者以外が立ち入らない倉庫の区画では、その範囲に人物が入ったときだけ検知する設定が考えられます。

検知時のスマートフォンへの通知

AI検知に通知機能を組み合わせると、人物や車両を検知したことを担当者へ知らせることができます。例えば、閉店後の店舗で人物を検知した際、担当者のスマートフォンへ通知する仕組みがあります。通知から該当するカメラの映像を開けるシステムなら、何が起きたのかを確認しやすくなります。

ただし、閉店後であっても清掃担当者や警備員などが出入りする店舗では、人物を検知するたびに通知すると、不要な通知が増えてしまいます。そこで、通知する時間帯や検知範囲を設定できる機能が役立ちます。例えば、清掃作業が終わった後の時間帯に限って通知したり、通常の通路ではなく、立ち入りを制限している区画だけを通知対象にしたりする方法があります。

通知後の映像・状況確認

通知を受け取った際は、該当するカメラの映像を確認し、対応が必要な状況かを判断します。例えば、夜間に店舗の裏口で人物を検知した場合、映像から清掃担当者の退出なのか、不審な立ち入りが疑われる状況なのかを確認します。このとき、通知を受け取った時点の画像だけでなく、その前後の映像も確認できると、人物がどこから来たのかを調べやすくなります。

また、通知を受け取る担当者が不在の場合に備え、代わりに確認する人や連絡先も決めておくことが重要です。

AI検知は出来事を知らせる機能であり、検知した人物が不審者かどうかを自動的に確定するものではありません。

人物検知と顔識別の違い

AIカメラの人物検知は、映像に映った対象を人として見つける機能です。例えば、建物の入口に人が来たことを検知し、画面上に人物を囲む枠を表示する機能があります。

AIによる人物検知の例

共用入口を通る一人の人物を上方から見た場面で、人物の存在だけを枠で示す
  1. 人物

このような人物検知では、そこに人がいることは分かっても、その人物の名前や身元まで分かるわけではありません。一方、顔識別は、顔の特徴を利用して、登録された人物などと照合する機能です。

顔に関するAI機能には、次のような違いがあります。

機能分かること
人物検知映っている対象が人であること
顔検出映像内に顔があることや、その位置
顔識別顔の特徴を登録情報などと照合し、特定の人物を識別すること

例えば、施設の入口に人が来たことを知りたいだけなら、人物検知で目的を満たせる場合があります。一方、登録済みの人物と照合したい場合には、顔識別機能を利用する方法があります。

ただし、顔識別では、人物の顔から抽出した特徴データなどの個人情報を取り扱うため、利用目的や情報の管理方法に配慮が必要です。顔識別機能付きカメラシステムを利用する場合には、その機能を使用していることを明らかにし、個人情報の利用目的を本人へ通知または公表するなど、法令に沿った対応が求められます。

顔識別まで必要なのか、人物がいることを検知できれば十分なのかを、利用目的に合わせて考えることが大切です。

AIによる録画映像の検索

防犯カメラの録画映像は、数時間から数日間、場合によってはそれ以上の期間にわたって保存されています。例えば、倉庫で荷物が見つからなくなった際に、昨日の夕方から夜までの録画をすべて確認するのは大変です。このようなときに役立つのが、録画映像の検索機能です。

AIによる映像検索では、人物や車両などの検知情報を利用し、条件に合う場面を絞り込むことができます。例えば、倉庫の搬入口を撮影した録画から、人物が通過した場面だけを探したり、駐車場で車両が映った場面を探したりする方法があります。

映像検索の指定条件

防犯カメラの映像検索には、日時や撮影場所を指定する基本的な検索に加えて、AIの解析結果を利用する方法があります。

検索条件使用例
日時昨日の午後に撮影された映像
カメラ・撮影場所倉庫の搬入口の映像
人物・車両人や車が映った場面
検知エリア指定した区画へ人が入った場面
外観の特徴衣服の色や車両の色などを指定する

例えば、荷物が運び出された時刻が分からない場合でも、搬入口の映像から人物を検知した場面を検索できれば、確認する録画を絞ることができます。また、製品によっては、人物の服装の色や車両の種類などを条件に検索できる機能もあります。

検索に利用できる情報はシステムによって異なり、録画時に保存した検知情報を使う方式や、保存済みの映像を後から解析する方式があります。そのため、AI検索機能を使いたい場合は、どのような条件で検索できるのかに加えて、検索に必要な情報をいつまで保存できるかも確認しておくとよいでしょう。

検索結果と前後の映像の確認

AI検索で見つかった映像は、調べたい出来事を探すための手掛かりになります。例えば、倉庫から荷物が持ち出された場面を探しているときに、箱を持って歩く人物が検索結果に表示されたとします。その場面だけを見ると、人物が荷物を持って移動していることは分かりますが、どこから持ってきたのか、どこへ運んだのかまでは分かりません。そこで、検索で見つかった場面の前後も確認することが重要です。

見つかった場面荷物を運ぶ場面
担当者が同じ箱を持って通路を歩く

例えば、荷物を持って歩く場面だけなら、無断で持ち出しているように見えるかもしれません。しかし、その前後を確認すると、作業台から荷物を持ち上げ、別の担当者へ受け渡す通常の作業だったと分かる場合があります。このように、検索結果は確認したい場面を見つけるために利用し、実際の出来事の経緯は前後の映像や業務記録なども合わせて判断することが重要です。

なお、検索条件に合う映像が見つからなかった場合でも、その出来事がなかったと断定することはできません。例えば、検知情報が保存されていなかったり、対象が検知されなかったりした場合には、検索結果へ表示されないことがあります。そのような場合は、日時や撮影場所を手掛かりに、録画そのものを確認する方法があります。

AI検知の見逃しと誤通知

AI検知は便利な機能ですが、すべての人物や車両を必ず検知できるわけではありません。例えば、カメラから遠く離れた人物や、荷物の陰に隠れた人物は、検知しにくくなる場合があります。また、夜間の暗さや強い逆光、人物同士の重なり、カメラの設置角度なども検知結果に影響します。

AI検知を利用する際は、必要な対象を正しく検知できるかに加えて、不要な通知が多く発生しないかも重要です。

見逃しと誤通知の違い

AI検知で発生する問題には、「見逃し」と「誤検知・不要な通知」があります。

種類内容具体例
見逃し本来検知したい対象を検知できない夜間に人が通ったのに通知されない
誤検知対象ではないものを検知対象と判断する人ではない対象を人物として検知する
不要な通知正しく検知したものの、通知する必要がない清掃担当者の通常の出入りで毎回通知される

例えば、店舗の閉店後に人物を検知する設定にしていても、夜間に照明を落としたことで人物が十分に映らず、検知できなくなる場合があります。一方、屋外のカメラでは、周囲の動きや光の影響によって誤検知が起きることもあります。

また、検知自体は正しくても、通知する必要のない通常の出入りまで知らせてしまうことがあります。このような場合は、検知する範囲や時間帯などを調整することで、不要な通知を減らせます。

ただし、検知範囲を狭くしすぎると、本来知らせてほしい人物まで検知できなくなる可能性があります。設定を変更した後は、必要な人物や車両を引き続き検知できるか試すことが重要です。

導入前の検知・通知テスト

AI検知の機能を確認する際は、実際に使用する場所で、検知してほしい場面と通知が不要な場面の両方を試すことをおすすめします。例えば、店舗の出入口で人物を検知する場合は、普段の歩き方だけでなく、荷物を持って通る場面や、複数人が続けて通る場面も試します。また、夜間に検知する予定なら、実際の照明状態で確認することが重要です。

見逃しは通知履歴だけを見ても分からないため、実際に人が通った場面の録画と、検知・通知の履歴を照らし合わせる必要があります。

AI検知・映像検索機能の選び方

防犯カメラのAI機能を選ぶ際は、検知できる対象の種類だけでなく、通知や録画映像の検索まで、普段の業務で利用できるかが重要です。例えば、閉店後の侵入を知らせたい場合は、人物検知に加えて、時間帯を指定した通知や、通知から該当する録画を再生できる機能が役立ちます。一方、録画から人物や車両を探したい場合は、検索できる条件や、検索結果から前後の映像を確認できるかがポイントです。

比較項目確認したい内容
検知対象人物・車両など、何を検知できるか
通知機能誰に、どのような方法で通知できるか
映像検索どのような条件から録画を探せるか
録画との連携検知した場面や前後の映像を確認できるか
対応機器・契約対応カメラ、録画装置、追加契約の必要性
保存期間録画や検索に必要な情報をいつまで利用できるか

AIによる映像解析には、カメラ本体で処理する方式、録画装置で処理する方式、クラウドで処理する方式などがあります。例えば、カメラ本体に人物検知機能があっても、録画を検索するシステムがその検知情報に対応していなければ、希望する条件で過去の映像を検索できない場合があります。そのため、導入時にはカメラ単体のAI機能だけでなく、録画装置や管理システムとの組み合わせも確認することが重要です。

実際の映像を使った機能確認

AI検知や映像検索を導入する際は、実際に起こりそうな場面を使って試すと、業務で役立つ機能か判断しやすくなります。例えば、店舗の夜間侵入を検知したい場合は、閉店後の照明状態で人物が通過したときに、担当者へ通知が届くか確認します。

また、過去の録画を検索したい場合は、「昨日、倉庫の搬入口を通った人物を探す」など、具体的な問い合わせを想定して検索してみてください。検索結果から録画を再生し、必要な場面を確認したり、権限のある担当者が映像を書き出したりできるかまで試すと、実際の運用を考えやすくなります。

なお、一般的な防犯カメラのAI検知機能は、工場の危険な機械を安全に停止させるための保護装置として、そのまま使用できるものではありません。機械の安全制御には、その用途に応じた安全設計と評価が必要です。

AI機能は、人物や車両を見つけ、担当者の確認や判断を支援するものとして活用しましょう。

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