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目的に合ったカメラの選び方

防犯カメラを導入しようと思ったとき、画素数やカメラの種類、設置台数など、何から決めればよいのか迷うことはありませんか?防犯カメラを選ぶときに、最初に考えておきたいのが「どこで、何を、どのくらい詳しく撮影したいのか」ということです。例えば、駐車場全体の様子を確認したい場合と、車のナンバープレートまで確認したい場合では、適したカメラや設置位置が異なります。

この記事では、防犯カメラの導入前に整理しておきたい撮影目的や設置場所、録画・管理条件について紹介します。

撮影目的の整理

防犯カメラの導入目的として多いのが、不審者の侵入防止やトラブルの記録、離れた場所からの状況確認などです。ただし、「防犯のため」という目的だけでは、必要なカメラの性能や設置場所を決めることはできません。まずは、撮影した映像を使って何を確認したいのか、具体的な場面を考えてみましょう。

撮影する場面確かめたい内容映像に求められること
玄関への来訪誰が訪れたのか顔や服装が確認できる
店舗の出入口いつ人が出入りしたのか人の出入りと時刻が分かる
荷物の受け渡し誰が何を受け取ったのか人物、荷物、受け渡しの様子が映る
駐車場のトラブルどの車が接触したのか車両の動きや必要な細部が確認できる

撮影範囲と細部の見え方

防犯カメラには、広い範囲の状況を把握するための使い方と、人物の顔や車両のナンバープレートなど、細部を確認するための使い方があります。広い範囲を撮影できるカメラは、駐車場全体の車の動きや、店舗内の人の流れを確認するのに向いています。一方、遠くにいる人物や車は画面の中で小さく映るため、細かな部分まで確認できるとは限りません。例えば、駐車場全体を映したい場合と、出入口を通る車のナンバープレートを記録したい場合では、カメラに求められる撮影範囲や映像の細かさが異なります。

顔や文字を確認したい場合には、画素数だけでなく、撮影する対象までの距離やレンズの画角(映る範囲の広さ)も重要です。広い範囲の撮影と細部の記録を両立したい場合は、撮影する場所を分けて複数台のカメラを設置する方法もあります。

玄関へ来た人物と、荷物を置く場所が見える入口。

撮影範囲と設置環境

撮影対象に合った設置位置

カメラの取り付け位置は、撮影したい範囲を十分に映せる場所がおすすめです。例えば、店舗の出入口を撮影する場合、天井付近から見下ろす位置であれば、人の出入りや周囲の様子を広く確認できます。一方、人物の顔を詳しく確認したい場合には、撮影する角度や距離にも配慮が必要です。

また、店舗の陳列棚や販促物、駐車場に止めた車などによって、カメラから見えない場所が生まれることもあります。カメラの設置位置を考える際は、何も置かれていない状態だけでなく、普段の営業や利用状況で撮影範囲が確保できるかを確認してみてください。

明るさ・電源・通信環境

防犯カメラを選ぶときは、撮影する時間帯の明るさも重要です。例えば、店舗の営業時間中だけでなく、閉店後も撮影したい場合には、照明を消した状態でどの程度映るのかを考える必要があります。夜間撮影に対応したカメラには、赤外線を使って暗い場所を白黒で撮影するタイプや、周囲の光や補助ライトを使ってカラーで撮影するタイプがあります。

また、屋外に設置する場合は、雨やほこり、気温など、設置環境に対応した製品が必要です。

電源と通信環境も、カメラの設置場所を決めるうえで重要な条件です。Wi-Fi接続の場合は、設置予定の場所まで電波が届くかを確認します。有線LANを使用する場合は、カメラまでの配線経路を確保する必要があります。LANケーブルを使って映像の通信と電源供給を行うPoE方式なら、対応する機器を組み合わせることで、カメラ付近の電源コンセントを使わずに設置できます。

棚や扉と取り付け位置を現地で確認する担当者。
  1. 取付位置
  2. 配線経路
  3. 遮る物

録画時間帯と保存期間

防犯カメラの映像を、今の状況を確認するためだけに使うのか、過去の出来事を調べるためにも使うのかによって、必要な録画条件が異なります。

必要な録画時間帯

例えば、営業時間中の荷物の受け渡しを記録したい場合は、その時間帯の映像が必要です。一方、店舗への不審者の侵入や、駐車場でのいたずらなどを確認したい場合には、営業時間外や深夜の録画も必要になります。

録画方法には、継続して映像を保存する「連続録画」と、人や物の動きなどを検知したときに保存する「検知時録画」があります。連続録画は、出来事が起きる前後の状況を含めて確認したい場合に向いています。検知時録画は、人物の出入りなど、特定の出来事を中心に記録する場合に適しています。ただし、検知されなかった場面は録画されないことがあるため、必要な映像を確実に残したい用途では注意が必要です。

録画映像の保存期間

録画映像の保存期間は、出来事が起きてから映像を確認するまでの時間を基準に考えるのがおすすめです。例えば、当日のトラブルをその日のうちに確認する店舗と、数週間後に返品や配送について問い合わせを受ける事業所では、必要な保存期間が異なります。週明けに問い合わせが届く可能性がある場合は、少なくとも休日を挟んだ録画が残るようにする必要があります。また、家庭で長期間留守にする場合も、帰宅後に必要な日の映像を確認できる保存期間が必要です。

録画を保存できる日数は、記録媒体の容量だけでなく、映像の画質、録画時間、カメラの台数などによって変わります。長期間の保存が必要な場合は、録画装置の容量やクラウド録画サービスの保存期間なども含めて比較してみてください。

なお、事業者が個人を識別できる録画映像を個人データとして取り扱う場合は、利用の必要性を考慮して保存期間を設定し、不要になったデータは遅滞なく消去するよう努めることが求められます。

映像の閲覧者と管理担当者

防犯カメラの導入では、撮影や録画だけでなく、誰が映像を確認するのかという利用方法も考えておきたいところです。例えば、家庭であれば、家族がスマートフォンから玄関の映像を確認する使い方があります。一方、店舗や事業所では、現場の責任者が映像を確認するだけでよいのか、本部から複数拠点の映像を管理したいのかによって、必要なシステムが異なります。

また、利用者が複数いる場合には、次のような役割を分けておくと管理しやすくなります。

役割担当する内容の例
映像を確認する人ライブ映像や録画映像の閲覧
録画を管理する人必要な映像の保存・取り出し
システムを管理する人カメラの設定変更や利用者の権限管理
異常時に対応する人カメラの故障や通知への対応

業務向けの映像管理システムには、担当者ごとに閲覧できるカメラや操作できる機能を制限できるものがあります。録画映像のダウンロードや設定変更を管理者だけに許可するといった使い方も可能です。

また、人物の侵入やカメラの異常などを検知した際に通知を利用する場合は、誰が通知を受け取り、どのように対応するのかも決めておくとよいでしょう。

撮影範囲とプライバシーへの配慮

防犯カメラを設置する際は、撮影目的に必要な範囲を中心に映すことが大切です。例えば、自宅の玄関を撮影する場合に隣家の窓まで映してしまったり、店舗内の撮影で顧客情報が表示されたパソコン画面を記録してしまったりすることは避けたいところです。

事業所で個人を識別できる映像を取得する場合には、利用目的を明確にし、その範囲内で取り扱う必要があります。

また、撮影されていることが来訪者などに分かりにくい場合は、防犯カメラが作動していることを掲示するなど、撮影を認識できるようにする措置も必要です。

導入費用と運用費用

防犯カメラの導入にかかる費用には、機器の購入費用だけでなく、設置工事や録画サービスなどの費用もあります。特に複数台を設置する場合や、長期間録画を保存したい場合には、録画装置や記録媒体の費用も考える必要があります。また、クラウド録画や管理サービスを利用する場合は、導入後も継続的な利用料金が発生することがあります。

初期費用継続的な費用
カメラ・録画装置クラウド録画・管理サービス利用料
配線・取り付け工事保守・点検費用
初期設定・操作説明記録媒体やバッテリーの交換
必要なネットワーク機器機器の修理・更新費用

例えば、カメラ本体へmicroSDカードを挿入して録画する構成では、月額の録画サービス料金がかからない製品があります。一方、クラウド録画では継続的な利用料が発生することがありますが、カメラ本体とは別の場所へ映像を保存できるという特徴があります。

また、業務用では、故障したカメラの交換や録画装置の復旧を保守会社へ依頼できる契約もあります。

導入時の費用だけでなく、録画の保存方法や保守体制、継続的な利用料まで含めて比較してみましょう。

導入条件の整理表

ここまで紹介した条件を整理しておくと、必要な防犯カメラの種類や機能を考えやすくなります。例えば、家庭で玄関の様子を確認したい場合と、事業所で荷物の受け渡しを記録したい場合では、次のような違いがあります。

整理する項目家庭での例事業所での例
撮影目的留守中の来訪を確認したい荷物の受け渡しを後から確認したい
必要な映像来訪者の顔や玄関前の荷物荷物を扱う人と受け渡しの様子
撮影場所玄関・門まわり搬入口・荷捌き場所
録画条件留守中や夜間に録画し、帰宅後まで保存作業時間帯を録画し、問い合わせに対応できる期間保存
閲覧する人本人・家族現場責任者・本部担当者
設置条件玄関付近の電源・Wi-FiLAN・電源・配線経路
費用・管理本体・記録媒体・利用料・充電など機器・工事・録画装置・保守・管理サービス

カメラの台数やレンズの種類、具体的な取り付け位置などは、この段階ですべて決める必要はありません。まずは「どこで何を撮影したいのか」「いつの映像を、どのくらいの期間残したいのか」「誰が映像を確認するのか」を整理しておくことが大切です。こうした条件を伝えることで、販売店や設置業者に相談する際にも、必要な機器や設置方法について具体的な提案を受けやすくなります。

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