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屋外用カメラの選び方

屋外に防犯カメラを設置する場合、どのような性能を備えた製品を選べばよいのでしょうか?屋外用の防犯カメラには、雨やほこりに強い製品のほか、海沿いの塩害や寒冷地の低温に対応した製品もあります。

ただし、「屋外対応」と表示されていても、すべての環境で使用できるわけではありません。

この記事では、屋外用防犯カメラの防水・防塵性能を示すIP等級や、耐塩害・耐衝撃性能、動作温度などの違いと選び方を紹介します。

屋外用カメラに必要な性能

屋外に防犯カメラを設置する場合、雨やほこりに対応した製品が基本となります。さらに、海沿いでは潮風による腐食、寒冷地では低温、直射日光が当たる場所では高温への対策が必要です。

設置場所重視したい性能
建物の軒下雨の吹き込みや湿気への対策
雨ざらしの駐車場防水・防塵性能
海沿いの駐車場防水・防塵性能と耐塩害性能
ほこりの多い工場防塵性能
直射日光を受ける外壁高温環境への対応
寒冷地低温環境での動作性能

屋外用カメラの仕様表には、こうした環境への対応を判断するために、IP等級や動作温度などが記載されています。

IP等級と防水・防塵性能

IP等級とは、機器の内部へほこりや水などが侵入することを防ぐ性能を示す規格です。IEC 60529という国際規格で定められており、防犯カメラのほか、スマートフォンや照明器具などにも使用されています。

IP等級は「IP65」「IP66」「IP67」などのように表示されます。例えば「IP66」の場合、前の「6」が防塵性能、後ろの「6」が防水性能を表します。

IP66の読み方

表示意味
IP保護等級を示す記号
最初の「6」粉塵の侵入を防ぐ性能
次の「6」強い噴流水に対する保護性能

防塵性能は0~6、防水性能は0~9の数字などで表されます。数字が大きくなるほど高い保護等級を示しますが、防水については試験方法が異なるため、数字だけで単純に比較できない場合があります。

IP65・IP66・IP67の違い

屋外用防犯カメラで見かけるIP65・IP66・IP67には、次のような違いがあります。

IP等級防塵性能防水性能
IP65粉塵の侵入を防ぐ噴流水に対する保護
IP66粉塵の侵入を防ぐ強い噴流水に対する保護
IP67粉塵の侵入を防ぐ一時的な水没に対する保護

例えば、建物の外壁など、雨風にさらされる場所ではIP66に対応したカメラがよく使用されます。一方、IP67は一定の条件で一時的に水没しても、内部に有害な影響を与える水が侵入しないことを示します。

ここで注意したいのは、IP67だからといって、IP66の強い噴流水に対する試験も満たしているとは限らないことです。強い噴流水への保護と、一時的な水没への保護は試験条件が異なります。両方に対応した製品では、「IP66/IP67」のように併記されることもあります。

屋外用の防犯カメラを選ぶ際は、単純に数字が大きい製品ではなく、雨の当たり方や水がかかる状況に合った保護等級を選ぶことが大切です。

また、IP等級は薬品や塩分による腐食への耐性を示すものではありません。海沿いや薬品を扱う場所では、それぞれの環境に対応した製品が必要です。

ケーブル接続部の防水対策

屋外用防犯カメラを設置するときは、カメラ本体だけでなく、ケーブルの接続部分にも防水対策が必要です。例えば、防犯カメラ本体がIP66に対応していても、LANケーブルの接続端子が雨水にさらされると、接触不良や機器の故障につながる可能性があります。そこで、屋外では「接続ボックス」と呼ばれる部材を使用し、ケーブルの接続部分を雨やほこりから保護する方法があります。

屋外カメラの接続ボックス

外壁のカメラと密閉した接続ボックス。配線は下から引き込み、水が流れる壁から離している
  1. カメラ本体
  2. 接続ボックス
  3. 引き込み口と配線

接続ボックスは、カメラの配線や接続端子を内部に収納し、雨水などが直接かからないようにする部材です。

また、ケーブルをボックス内へ引き込む部分にも、指定された防水部材や施工方法が必要です。例えば、ケーブルを伝って雨水が接続部分へ流れ込まないよう、引き込み方向や配線の取り回しを工夫する方法があります。屋外設置では、カメラ本体の防水性能だけでなく、接続ボックスやケーブルの引き込み部分まで適切に保護されていることが重要です。

海沿いで必要な耐塩害性能

海沿いや港湾施設などでは、潮風に含まれる塩分によって金属部分が腐食する「塩害」が問題になります。例えば、海沿いの駐車場に設置した防犯カメラでは、長期間にわたって潮風にさらされることで、カメラ本体や取付金具、ネジなどが腐食する可能性があります。こうした環境では、耐塩害・耐腐食性能を備えた防犯カメラが適しています。

耐塩害に対応した製品には、腐食に強い材料を使用したものや、表面に特殊な処理を施したものがあります。また、カメラ本体だけでなく、取付金具や接続部分にも耐腐食性能が必要です。

IP等級と耐塩害性能の違い

IP66は、防塵・防水性能を示す等級です。そのため、IP66に対応していることだけでは、海沿いで使用するための耐塩害性能があるとは判断できません。

海沿いに設置する場合には、IP等級に加えて、メーカーが示す耐腐食性能や使用可能な環境を確認する必要があります。例えば、塩水噴霧などの腐食試験に対応した製品もあるため、潮風の影響を受けやすい場所では、こうした性能も比較のポイントになります。

また、工場などで洗剤や薬品が付着する可能性がある場所では、使用する薬品に対する耐性も重要です。防水性能が高くても、洗剤や薬品への耐性まで保証されているわけではないため、清掃方法も含めて製品の使用条件を確認してください。

IK等級と耐衝撃性能

防犯カメラの仕様表には、IP等級のほかに「IK08」「IK10」などの表示があることがあります。IK等級とは、外部からの機械的な衝撃に対する保護性能を示す規格です。IEC 62262という国際規格で定められており、数字が大きいほど強い衝撃に対応する等級を示します。例えば、IK10は20ジュールの衝撃エネルギーに対する保護等級です。

人の手が届きやすい場所や、物がぶつかる可能性がある場所では、耐衝撃性能の高いカメラが適しています。

また、耐衝撃性能に対応したカメラでも、取付金具や露出したケーブルが破損すると正常に動作しなくなる可能性があります。そのため、カメラ本体の強度に加えて、接触しにくい設置位置や配線の保護も考えることが大切です。

動作温度と暑さ・寒さへの対策

防犯カメラの仕様表には、「動作温度」という項目があります。動作温度とは、その製品が正常に動作するために想定された周囲温度の範囲です。例えば、「-20℃~50℃」と表示されている場合は、その温度範囲で使用することを想定した製品です。

ただし、屋外に設置したカメラは、直射日光や周囲の設備からの熱などによって、気象情報で示される気温とは異なる温度条件にさらされることがあります。

直射日光による高温への対策

建物の外壁や駐車場など、直射日光が長時間当たる場所では、カメラ本体が高温になることがあります。特に、周囲に熱を持ちやすい外壁や屋根などがある場合は、カメラの温度が上がりやすくなります。

こうした場所では、高温環境に対応した製品や、日よけを備えたカメラを利用する方法があります。また、直射日光を避けられる位置に設置できれば、日射による温度上昇を抑えることにもつながります。

ただし、日よけを追加する場合は、カメラの撮影範囲や放熱を妨げない構成にする必要があります。

寒冷地や結露への対策

寒冷地では、冬季の低温に対応した防犯カメラが適しています。例えば、内部にヒーターを搭載し、低温環境でも動作できるようにした製品があります。

こうした製品では、ヒーターが作動したときに消費電力が増えるため、PoEなどの給電機器も必要な電力に対応していることが重要です。

また、温度差や湿気などによって、カメラのカバー内部に結露が発生する場合があります。カバー内部に水滴や曇りが見られるときは、密閉部分の劣化や施工状態に問題がないかを調べる必要があります。

防水性能を損なう可能性があるため、指定されていない穴開けや分解は行わず、施工会社やメーカーに相談してください。

水滴・汚れによる画質低下と清掃

屋外に設置した防犯カメラでは、雨水やほこり、蜘蛛の巣などがレンズの前に付着し、映像が見づらくなることがあります。例えば、雨の後に水滴が残ると、映像の一部がぼやけたり、光がにじんだりする場合があります。

水滴や汚れが付いたカメラ

屋外カメラの前面カバーに付いた水滴と細かな汚れが、レンズの前を覆っている近景

また、赤外線を使って夜間撮影するカメラでは、レンズ付近の水滴や蜘蛛の巣などに赤外線が反射し、映像が白くかすんで見えることもあります。こうした汚れを防ぐためには、定期的な清掃や点検が役立ちます。

ただし、レンズやカバーには傷が付きやすい素材が使われている場合があるため、清掃はメーカーが指定する方法で行ってください。強い洗剤や研磨剤などは、カバーの表面を傷める可能性があります。

また、高所に設置したカメラでは、清掃のたびに高所作業が必要になることもあります。設置する際は、撮影範囲だけでなく、将来の点検や清掃のしやすさも考えておくことをおすすめします。

設置場所に合った屋外用カメラの選び方

屋外用の防犯カメラは、設置する場所で想定される雨・ほこり・温度・腐食などに合わせて性能を比較することが大切です。

設置場所重視したい性能・対策
雨が当たる建物の外壁防水・防塵性能と接続部の防水
海沿いの駐車場防水・防塵に加え、耐塩害・耐腐食性能
ほこりが多い工場防塵性能と定期的な清掃
直射日光が当たる場所高温への対応と日射対策
寒冷地低温環境での動作性能、必要に応じたヒーター
人や物が接触しやすい場所IK等級などの耐衝撃性能

例えば、雨が直接当たる場所ではIP等級が重要ですが、海沿いでは耐塩害性能も必要になります。

また、機器本体が屋外に対応していても、取付金具やケーブルの接続部分が適切に保護されていなければ、故障の原因になることがあります。防犯カメラを選ぶときは、設置場所の環境を踏まえ、カメラ本体の性能と設置工事の両方を確認してみてください。

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