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設置工事の流れと事前準備

会社や店舗に防犯カメラを設置するとき、どのような工事が必要で、どれくらいの準備をすればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか?

防犯カメラの設置工事では、本体の取り付けだけでなく、通信ケーブルの配線や電源の確保、録画装置の接続、初期設定などを行います。また、建物の構造や設置場所によって工事の内容や費用も変わります。

この記事では、防犯カメラの設置工事がどのように進むのか、現地調査から配線工事、初期設定、引き渡しまでの流れを紹介します。

設置工事の流れ

防犯カメラの設置工事は、主に次のような流れで進みます。

  1. 現地調査:撮影したい場所や取付位置、配線経路、電源などを確認します。
  2. 工事内容・見積もりの決定:使用する機器や工事方法、費用、日程などを決めます。
  3. 取付・配線工事:カメラを固定し、通信ケーブルや電源を接続します。
  4. 初期設定:カメラの登録や録画設定、ネットワーク設定などを行います。
  5. 動作確認・引き渡し:必要な映像が撮影・保存されていることを確認し、利用を開始します。

例えば、既存のLANケーブルを利用して数台のカメラを取り付ける工事なら、比較的少ない作業で設置できる場合があります。一方、屋外に配管を新設したり、高所作業車を使用したりする場合には、追加の工事や準備が必要になります。

現地調査の確認内容

現地調査は、防犯カメラの設置場所を実際に確認し、必要な機器や工事内容を具体化する工程です。まず、出入口や駐車場、レジなど、どこを撮影したいのかを施工会社へ伝えます。例えば、店舗の出入口で来店者の顔を記録したい場合と、売り場全体を見渡したい場合では、カメラの設置位置や撮影方向が異なります。

また、撮影したい範囲が決まっていても、その場所にカメラを取り付けられるとは限りません。壁や天井の構造、配線経路、電源なども調べる必要があります。

現地調査では、主に次のような項目を確認します。

確認項目主な内容
撮影する範囲出入口やレジ、駐車場など、映像を残したい場所
カメラの取付位置撮影方向、設置する高さ、固定する場所
配線経路カメラから通信機器や録画装置までの配線方法
電源PoEによる給電や電源コンセントの利用
録画装置の設置場所機器を置く場所、電源、ネットワーク接続
工事条件高所作業、建物側の許可、作業時間帯など

現地調査の様子

担当者が地上から壁の固定候補位置を調べ、カメラを支える面と作業空間を確認する

また、カメラの設置位置を決める際には、柱や棚、開いた扉などによって撮影範囲に死角ができないかも確認します。

撮影したい場所が分かる図面や見取り図があれば、事前に施工会社と共有しておくと、現地調査を進めやすくなります。

カメラの取付工事と配線方法

現地調査で設置場所や工事方法が決まったら、カメラ本体の取り付けと配線工事を行います。防犯カメラの工事内容は、取付位置と配線方法によって大きく変わります。

壁・天井・柱への取付工事

防犯カメラは、建物の壁や天井、柱などに取り付けます。壁面への取り付けでは、カメラの重さを支えられる下地や固定方法が必要です。屋外では、風や振動による影響も考える必要があります。

また、高い位置へ設置する場合には、脚立だけでは作業できず、高所作業車や足場が必要になることもあります。例えば、工場の高い天井や建物の外壁へカメラを取り付ける場合は、機器の設置費用に加えて、高所作業の費用が発生することがあります。

賃貸物件や建物の共用部分では、壁への穴開けや機器の設置について、建物の所有者や管理者の承諾が必要になる場合もあります。

また、既存の壁や天井に穴を開けるなど、建材を加工する工事では、石綿(アスベスト)の事前調査が必要となる場合があります。調査の実施と、一定規模以上の工事で必要になる行政への結果報告は区別されるため、施工会社に必要な手続きを確認してもらいましょう。

露出配線と隠ぺい配線の違い

防犯カメラの配線には、ケーブルを壁や天井の表面に沿って通す「露出配線」と、天井裏や壁の内部などへ収める「隠ぺい配線」があります。

配線方法特徴
露出配線既存建物でも施工しやすく、配線の状態を確認しやすい
隠ぺい配線ケーブルが目立ちにくいが、建物の構造によって施工が難しい場合がある
配管を使った配線ケーブルを管で保護し、屋外や接触しやすい場所などで利用する

例えば、オフィスの天井裏に配線スペースがあれば、LANケーブルを天井内へ通し、カメラの設置場所まで引き込む方法があります。一方、天井裏を利用できない建物では、壁面に沿ってケーブルを通し、必要に応じてモールや配管などで保護します。

屋外では、雨や日光による劣化、車両や人との接触などを防ぐために、適切なケーブルや配管を使用することが大切です。

入口扉付近の配線例

入口扉の上を回した配管と、壁側のカメラ。扉のヒンジや通路に配線がかからない
  1. 扉の上を通す経路
  2. 固定壁の取付位置

例えば、出入口付近では、扉の開閉部分を避けてケーブルを通すことで、扉によってケーブルが挟まれたり、傷ついたりすることを防ぎます。

配線方法は、建物の見た目だけでなく、工事費用や将来の点検にも関わります。既存の配線を利用できるかどうかも、現地調査で確認しておくとよいでしょう。

電源工事とネットワークの接続

防犯カメラを動かすには、電源と通信環境が必要です。ネットワークカメラでは、PoEと呼ばれる方式を利用し、LANケーブル1本で通信と電源供給を行う方法があります。PoEに対応したカメラと給電機器を使用すれば、カメラの近くに電源コンセントがなくても設置できるため、天井や屋外などの高い場所に向いています。

ただし、給電機器は、接続するカメラの台数や消費電力に対応している必要があります。

一方、電源アダプターを使用するカメラでは、設置場所の近くに電源コンセントが必要です。

コンセントの増設など、資格が必要な電気工事を行う場合には、作業に応じた資格を持つ電気工事士が施工します。

また、ネットワークカメラでは、カメラと録画装置を通信できる状態にするためのネットワーク設定も必要です。社内ネットワークへ接続する場合には、IPアドレスや接続するネットワーク、遠隔閲覧の方法などを、社内の情報システム担当者と調整することもあります。

施工会社が配線工事を担当し、社内担当者がネットワーク設定を行う場合は、どこまでが施工会社の作業範囲なのかを決めておくと、工事後の作業漏れを防ぐことができます。

カメラの初期設定

カメラの取り付けと配線が完了したら、録画や遠隔閲覧を利用するための初期設定を行います。例えば、カメラと録画装置を接続しただけでは、録画したい時間帯や保存日数が設定されていない場合があります。主な初期設定には、次のようなものがあります。

設定項目内容
カメラの登録録画装置や管理システムからカメラを利用できるようにする
撮影方向・画質必要な場所を適切な画質で撮影する
録画設定録画方法や保存日数などを設定する
日時設定正しい日時で映像を記録する
遠隔閲覧パソコンやスマートフォンから映像を確認できるようにする
アカウント・権限担当者が利用できるカメラや操作を設定する

例えば、店舗の防犯カメラを本部から確認したい場合には、現地での録画に加えて、本部から映像を閲覧するための設定も必要になります。

また、カメラの時刻が正しく設定されていないと、録画映像を調べる際に、ほかのカメラや入退室記録などと照合しにくくなることがあります。

管理者アカウントやパスワードなどの情報も、導入後に会社側で管理できるよう、適切な方法で引き継いでおくことが大切です。

営業中の工事・カメラ交換の注意点

店舗や工場などで防犯カメラを設置する場合、営業中に工事を行うこともあります。その場合は、工事による音や振動、人や車の通行への影響を考える必要があります。

例えば、店舗の出入口付近で配管工事を行う場合、一時的に通行できる範囲を制限することがあります。また、工場では設備の稼働や作業者の動線を考慮し、工事する時間帯を調整する場合もあります。

こうした影響を抑える方法として、営業時間外に作業したり、区画ごとに分けて工事したりすることがあります。

特に、既存の防犯カメラを交換する場合は、工事中に録画が停止する時間帯を確認しておくことが重要です。例えば、共通の録画装置を交換する場合、接続されている複数台のカメラで録画が停止する可能性があります。

また、既存のネットワーク機器を変更する際には、ほかのカメラや業務システムにも影響が出ることがあります。

そのため、既存機器の交換工事では、録画が停止する時間帯や影響する範囲を事前に確認し、必要に応じて巡回や立入管理などの代替対応を準備しておくとよいでしょう。

工事見積もりの確認ポイント

防犯カメラの設置工事では、カメラの台数が同じでも、建物の構造や配線方法によって工事費用が変わります。例えば、既存のLANケーブルを利用してカメラを4台設置する場合と、屋外に配管を新設して4台設置する場合では、必要な作業や部材が異なります。そのため、見積もりを比較する際は、カメラ本体の価格だけでなく、工事や設定の範囲も確認することをおすすめします。

見積項目主な内容
カメラ・録画装置カメラ本体、レコーダー、記録媒体など
取付工事カメラの固定、取付金具など
配線工事LANケーブル、配管、穴開けなど
電源工事コンセント増設、PoE給電機器など
初期設定カメラ登録、録画設定、ネットワーク設定など
その他の工事高所作業、既存機器の撤去、必要な事前調査など

特に、天井裏や壁の内部を現地調査で確認できなかった場合は、工事を開始してから追加作業が必要になることもあります。こうした場合の追加工事費用や、工事内容を変更する際の手続きについても、事前に確認しておくと安心です。

また、見積もりに初期設定や動作確認まで含まれているのか、機器の取り付けまでなのかによって、工事完了後に必要な作業が変わります。

工事完了後の動作確認と引き渡し

防犯カメラの取付工事が終わったら、実際に映像を表示し、録画や再生などの動作を確認します。カメラの映像が表示されていても、録画の設定が正しくなければ、必要な映像が保存されていない可能性があります。そのため、引き渡しの際には、主に次のような内容を確認することをおすすめします。

  • 撮影範囲:出入口やレジなど、撮影したい場所が正しく映っているか
  • 録画:設定した方法で映像が保存されているか
  • 録画再生:保存された映像を正常に再生できるか
  • 日時:録画映像の日時が正しく記録されているか
  • 遠隔閲覧:必要な端末から映像を確認できるか
  • 利用者の権限:担当者ごとに必要なカメラや機能を利用できるか
  • 映像の書き出し:必要な部分をファイルとして保存できるか

夜間の撮影が必要な場所では、暗い時間帯の映像についても確認しておくと安心です。

また、工事完了後には、機器の設置場所や設定内容が分かる資料を受け取っておくと、その後の管理に役立ちます。例えば、カメラの配置図や機器一覧があれば、故障した際にどのカメラが対象なのかを伝えやすくなります。

管理者アカウントや設定情報の引き継ぎ、担当者向けの操作説明、故障時の連絡先についても、引き渡しの範囲に含まれているか確認してみてください。

防犯カメラの設置工事は、機器を取り付けた時点ではなく、必要な映像を撮影・保存し、担当者が録画の再生や書き出しなどの操作を行える状態になって完了します。

工事を依頼する際には、機器の設置から初期設定、動作確認、引き渡しまでを含めて、施工会社と工事範囲をそろえておくことをおすすめします。

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