駐車場・屋外敷地の撮影と夜間対策
駐車場に防犯カメラを設置するとき、どこに取り付ければ車両の出入りや接触事故を確認できるのでしょうか?駐車場では、出入口を通過した車両の記録や、駐車中の車への接触、周囲を歩く人の動きなどを確認するために防犯カメラが使われます。
また、屋外では夜間の暗さや車のヘッドライト、雨や風などの影響も考える必要があります。
この記事では、駐車場・屋外敷地における防犯カメラの設置場所と撮影のポイント、ナンバープレートの撮影方法、夜間や屋外での設置条件について紹介します。
駐車場・屋外敷地での設置場所
駐車場では、車両の出入りを確認する出入口、車両や歩行者が移動する通路、駐車中の車両があるスペースなどに防犯カメラを設置する方法があります。
代表的な設置場所と撮影目的は次のとおりです。
| 設置場所 | 主に撮影したい内容 |
|---|---|
| 駐車場の出入口 | 車両の入出庫、通過時刻や進行方向 |
| 敷地内の通路 | 車両や歩行者の移動 |
| 駐車スペース | 駐車中の車両への接触や人の接近 |
| 精算機・ゲート周辺 | 車両の停止位置、機器周辺での出来事 |
| 建物への出入口 | 駐車場から建物へ移動する人物 |
例えば、駐車場全体を斜め上から撮影すると、車両がどの通路を通ったのか、どの駐車スペースへ向かったのかを確認しやすくなります。一方、駐車中の車両への接触を詳しく記録したい場合は、車の側面や周囲の動きが大きく映る位置にカメラを設置する方法が役立ちます。このように、駐車場全体を見渡すカメラと、出入口や特定の駐車スペースを詳しく撮影するカメラを組み合わせる方法がおすすめです。
駐車場の出入口・通路・駐車スペースの配置例

- 出入口
- 通路
- 車室
駐車場の1台分の区画は「車室」とも呼ばれます。この記事では、分かりやすく「駐車スペース」と表記します。
出入口の車両の撮影ポイント
駐車場の出入口では、車両がいつ入ったのか、どちらへ進んだのかを確認できる映像が役立ちます。例えば、駐車場内で接触事故が発生した場合、事故の前後に出入りした車両を調べることがあります。このような用途では、車両の通過位置と進行方向が分かるように、出入口全体を撮影する配置が適しています。
また、駐車場によっては入口と出口が分かれていたり、同じ場所を車両が双方向に通行したりする場合があります。
入口と出口が分かれている場合は、それぞれの通過地点にカメラを設ける方法があります。同じ場所を双方向に通行する場合は、1台のカメラで両方向の車両を確認できるかがポイントです。
例えば、入庫する車両の前面は鮮明に映っていても、出庫する車両は後方からしか撮影できない場合があります。車両の進行方向によって映る面が変わるため、どの方向から来た車両を記録したいのかを考えておくことが重要です。
なお、車両全体を撮影できていても、ナンバープレートの文字まで読み取れるとは限りません。ナンバーを詳しく記録したい場合は、そのための撮影位置や設定も必要です。
駐車スペース・通路の撮影ポイント
駐車スペースでは、駐車中の車両にほかの車が接触したり、人が近づいたりする場面を確認するために防犯カメラが使われます。例えば、駐車場の利用者から「車に傷が付いていた」と申し出があった場合、周囲の車両の動きや、駐車スペース付近で何が起きたのかを調べることがあります。このような用途では、駐車スペースと、その前を通る車両の動きが見える配置が役立ちます。
ただし、高い位置から駐車場全体を見渡す映像では、車両の屋根はよく見えていても、ドアや側面が十分に映らない場合があります。例えば、ドアの開閉による接触を調べたいのであれば、車両の側面付近が見える撮影角度も考える必要があります。
一方、通路では、車両や歩行者がどちらへ移動したのかを確認できる映像が役立ちます。駐車スペースと通路を異なる角度から撮影することで、事故の前後の動きを追いやすくなります。
駐車車両による死角
駐車場では、止まっている車両そのものが、カメラの視界を遮ることがあります。例えば、駐車場に車が少ないときには奥のスペースまで見えていても、大型のワンボックスカーや配送車が止まると、その奥が隠れる場合があります。また、背の高い車両が通路側に駐車すると、隣のスペースにある車の側面が見えなくなることもあります。
そのため、カメラの設置位置を決める際は、車両が止まっていない状態だけでなく、実際に駐車している状態でも撮影範囲を確認することが重要です。
広い駐車場では、異なる方向から撮影するカメラを組み合わせる方法もあります。
例えば、建物側から駐車場全体を見渡すカメラと、反対側から駐車スペースを撮影するカメラを組み合わせると、片方が車両に遮られた場合でも、別の角度から状況を確認できることがあります。
ナンバープレートの撮影に必要な性能
駐車場では、車両の出入りだけでなく、ナンバープレートの文字を記録したい場合があります。例えば、契約者以外の車両が入庫した場合や、トラブルがあった際に車両を特定するための手掛かりとして利用する場合です。
ナンバープレートの文字を記録するには、車両が通過する位置に合わせて、プレートが十分な大きさで映るように撮影する方法が適しています。
| 撮影目的 | 配置の考え方 |
|---|---|
| 車両の入出庫を確認 | 出入口全体を広く撮影 |
| 車両の形状や色を確認 | 車両全体が見える位置 |
| ナンバーの文字を確認 | 通過地点を大きく撮影 |
| ナンバーを自動で読み取る | 認識機能と撮影条件を備えたシステム |
例えば、出入口を広く撮影するカメラでは、車両の種類や進行方向は分かっても、ナンバーの文字が小さく映ることがあります。ナンバーを詳しく撮影する場合は、車両が通る位置へ画角を絞ることで、文字を大きく記録できます。
また、車両の進行方向に対して、できるだけ正面に近い角度から撮影する方法が適しています。斜めから撮影すると文字が読み取りにくくなり、車両の動きによるぶれも発生しやすくなるためです。
走行車両のナンバー撮影
ナンバープレートの撮影では、車両の速度も重要です。例えば、停止した車両のナンバーは鮮明に映っていても、走行中は文字がぶれて読めなくなることがあります。これは、カメラが光を取り込んでいる間に車両が動くことで、映像にぶれが生じるためです。
カメラが光を取り込む時間は「露光時間」と呼ばれ、シャッター速度の設定によって調整できます。露光時間を短くすると動く対象のぶれを抑えやすくなりますが、その分だけ取り込める光が少なくなるため、暗い場所では照明も重要になります。
ナンバープレートを撮影する際は、実際の車両が通常の速度で通過する様子を録画し、文字が読み取れるか確認することをおすすめします。
また、撮影のために車両へ危険な減速や停止を求めたり、通行を妨げる位置に設備を設置したりしないようにしてください。
ナンバープレートの自動認識
ナンバープレートの自動認識とは、カメラが撮影した映像から、システムがナンバーの文字を読み取る機能です。
通常の防犯カメラでは、録画映像を人が確認してナンバーを読み取ります。一方、自動認識に対応したシステムでは、読み取ったナンバーを記録し、検索や入出庫管理などに利用できます。
例えば、月極駐車場や事業所の車両出入口では、登録された車両のナンバーを認識し、ゲートの開閉などに連携する仕組みもあります。
ただし、自動認識には読み取り間違いや、ナンバーを認識できない場合があります。また、対応している国・地域やナンバープレートの種類、撮影条件などによっても認識結果が変わります。導入時には、実際の車両を使って入出庫の記録を照合し、読み取り漏れや重複、誤認識がないか確認することが重要です。
トラブルの調査では、自動認識された文字だけで判断せず、必要に応じて元の録画映像も確認できる運用が適しています。
夜間の車両・ナンバーの撮影
夜間の駐車場では、街灯のある場所と照明が届かない場所で、明るさが大きく異なることがあります。また、車両のヘッドライトによって、急に強い光がカメラへ入ることもあります。そのため、昼間は車両や歩行者を鮮明に撮影できていても、夜間には同じように記録できない場合があります。
夜間撮影では、車両や周囲の人の動きを確認したいのか、ナンバープレートの文字を読み取りたいのかによって、カメラの設置位置や撮影設定を考えることが重要です。
ヘッドライトによる白飛び
夜間に車両がカメラへ向かって走ってくると、ヘッドライトの強い光によって、映像の一部が白くなることがあります。また、カメラがヘッドライトの明るさに合わせて撮影すると、車両の周囲や歩行者が暗く映る場合があります。このように、明るい部分の細部が白くつぶれて見えなくなる現象を「白飛び」と呼びます。
明るい部分と暗い部分の差が大きい場所では、WDR(ワイドダイナミックレンジ)という機能が役立ちます。WDRは、明るい部分と暗い部分を見やすくするための機能です。ヘッドライトが入る場所では、カメラの向きや取付位置の工夫と組み合わせて利用します。
ただし、ナンバープレートの文字を撮影する場合には、車両全体を見やすくする設定が、必ずしも適しているとは限りません。
例えば、車両全体と周囲の人を確認するカメラでは、明暗差を抑える設定が役立ちます。一方、ナンバー撮影では、反射による白飛びや走行中のぶれを抑える設定が重要です。
そのため、駐車場全体を撮影するカメラと、ナンバープレートを撮影するカメラを分ける方法もあります。
夜間のヘッドライトとナンバープレートの見え方

- ヘッドライト
- プレート面
- 周囲の明るさ
暗い駐車場での赤外線撮影
赤外線撮影に対応した防犯カメラは、目に見えにくい赤外線を利用して、暗い場所でも映像を記録できます。赤外線撮影では白黒の映像になることが多く、周囲に照明が少ない場所で人物や車両の動きを確認する用途に役立ちます。
ただし、赤外線が届く距離には限りがあります。例えば、カメラから離れた場所では、人物や車両が暗く映り、細かな部分まで確認できない場合があります。
また、赤外線が近くの壁や看板に強く反射すると、その周辺が明るくなり、遠くの対象が見えにくくなることがあります。カメラのカバーに汚れや水滴が付いた場合も、赤外線が反射して画面が白っぽくなることがあります。
特にナンバープレートは光を強く反射するため、赤外線撮影ではプレート部分が明るくなりすぎる場合があります。
夜間の映像を確認する際は、車両がライトを点けて通過する状態や、街灯・周辺施設の照明が消えた状態でも、必要な場所が撮影できているか試してみてください。
屋外カメラの電源の取り方
駐車場では、建物の外壁だけでなく、照明柱や敷地内の独立したポールなどに防犯カメラを設置することがあります。建物から離れた場所へ設置する場合は、カメラの取付位置と合わせて、電源や通信の確保も考える必要があります。
| 設置方法 | 主な特徴・確認事項 |
|---|---|
| 有線接続 | ケーブルの配線経路や工事が必要 |
| 無線接続 | 設置場所での通信状況と電源の確保が必要 |
| ソーラー電源 | 日照条件、蓄電池の容量、夜間・悪天候時の動作を考慮 |
| 照明柱への設置 | 所有者の許可、取付条件、通電時間を確認 |
例えば、建物から離れた場所にカメラを設置する場合、通信には無線を使い、電源は近くの設備から供給する方法があります。
また、ネットワークケーブルを使ってデータ通信と電力供給をまとめて行う「PoE(Power over Ethernet)」という方式もあります。PoEを利用すると、対応したカメラへLANケーブルを通じて電力を供給できます。ただし、ケーブルの長さや供給できる電力には条件があります。
広い駐車場では、既存の配管を利用できるか、舗装の下へ配線を通す必要があるかなどによって工事内容が変わります。
なお、無線接続のカメラであっても、継続して動作させるための電源は必要です。
ソーラー電源を利用する場合も、夜間や雨天が続くときに必要な電力を確保できるかが重要になります。
照明柱からの電源確保の注意点
駐車場の照明柱へカメラを取り付ける場合は、柱の所有者や管理者の許可と、取付方法の確認が必要です。
また、照明柱の電源は、日中にも通電しているとは限りません。例えば、夜間だけ照明が点灯する回路にカメラを接続すると、昼間は電力が供給されず、録画できない場合があります。24時間撮影したい場合は、必要な時間帯に電力を供給できる電源を確保することが重要です。
雨・風・潮風への対策
屋外に設置する防犯カメラでは、雨や粉じん、温度変化などへの対応が必要です。例えば、製品仕様にある「IP66」などの表示は、ほこりや水の侵入に対する保護性能を表しています。
ただし、防じん・防水性能が高いカメラでも、動作温度や耐塩害性能まで同じ条件に対応しているわけではありません。特に海に近い駐車場では、潮風によって金属部分が腐食しやすくなるため、カメラ本体だけでなく、取付金具や接続部分の材質・耐食性も重要です。
また、屋外ではケーブルの接続部から水が入り込む場合もあります。設置時には、防水処理や配線の保護方法まで含めて施工する必要があります。
接触事故の録画検索
駐車場の防犯カメラでは、トラブルが発生した際に、目的の録画映像を探しやすいことも重要です。
例えば、利用者から「昨日の夕方、駐車中に車へ傷が付いたかもしれない」と申し出があった場合、該当する駐車スペースと時間帯を手掛かりに録画を調べることがあります。
このような運用では、カメラに「北側入口」「第2駐車場・東側」など、撮影場所が分かる名前を付けておくと便利です。また、駐車場の配置図にカメラの位置と撮影範囲を記録しておけば、該当する駐車スペースがどのカメラに映っているのかを把握しやすくなります。
事故や接触の申し出があった場合は、発生したと思われる日時だけでなく、その前後の映像も確認すると、関係する車両の動きを追いやすくなります。
録画映像から必ず事故の原因や責任を判断できるわけではありませんが、車両の移動や接触前後の状況を確認するための手掛かりになります。
駐車場の録画保存期間
駐車場では、接触や車両の傷に利用者がすぐ気づくとは限りません。例えば、週末に駐車場を利用した人が、数日後に車の傷を見つけて問い合わせてくる場合があります。そのため、録画の保存期間は、利用者が問題に気づくまでの日数や、管理担当者が映像を確認するまでの時間などを踏まえて考える必要があります。
録画装置には、保存容量がいっぱいになると古い映像から上書きするものがあります。問い合わせがあった際に、必要な映像が上書きされる前に保全できるよう、担当者や保存手順を決めておくとよいでしょう。
利用者への映像提供の注意点
駐車場では、接触事故などの際に利用者から録画映像の確認や提供を求められる場合があります。しかし、その映像には、別の利用者や車両、歩行者などが映っていることがあります。そのため、現場担当者がその場で録画ファイルを渡すのではなく、管理責任者が依頼内容や対象映像、法令上の取り扱いを踏まえて対応することが重要です。
また、駐車場にカメラを設置する際は、管理する敷地と撮影目的に必要な範囲へ向け、隣接する住宅の窓や、撮影する必要のない道路などが映り込まないように配慮します。
防犯カメラが作動していることを利用者に知らせるため、駐車場の入口などへ案内を掲示する方法もあります。
設置後の確認ポイント
駐車場の防犯カメラは、設置が終わったら実際に車両が出入りし、駐車している状態で録画を確認することをおすすめします。特に、駐車中の車両による死角や、夜間のヘッドライトによる白飛びは、車両のない状態では分かりにくいことがあります。
| 確認する場面 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 車両が出入りする | 通過方向や時刻が分かるか |
| 車両が駐車している | ほかの車によって重要な場所が隠れないか |
| 車両が通常の速度で通過する | ナンバープレートの文字が鮮明に映るか |
| 夜間にライトを点けて走行する | 白飛びや映像のぶれがないか |
| 街灯や施設の照明が消える | 必要な場所を引き続き撮影できるか |
| 雨や悪天候の後 | レンズ周辺や接続部の状態、録画への影響がないか |
例えば、ナンバープレートを記録するカメラでは、停止した車両だけでなく、実際の入出庫と同じ速度で通過した映像も確認する必要があります。
また、駐車スペースを撮影するカメラでは、大型車が止まった状態でも、接触事故を確認したい場所が映るかを試してみてください。
駐車場の利用方法や車両の種類が変わった場合にも、カメラの撮影範囲を見直すことで、必要な映像を記録し続けることができます。