本文へ移動

リース用語集

リースの料金・契約・会計などで使われる言葉の意味を、具体例とともに解説します。

維持管理費

いじかんりひ

設備を使い続けるためにかかる費用です。保守点検、修理、消耗品の購入、日常の管理作業などに必要な費用を指し、機器そのものを購入したり借りたりする代金とは区別されます。

複合機では、トナーや用紙、保守サービスなどの費用が該当します。使用量に応じた料金なら印刷が増えるほど費用も増えますが、毎月一定額を支払う契約もあります。パソコンでは、サポートや端末の管理作業が含まれる場合があります。

維持管理費は、すべての契約で同じ範囲を指す料金名ではありません。本体のリース料と別に請求されるものもあれば、メンテナンス・リースのように設備の利用料と保守料金を組み合わせたものもあります。

MDM解除

えむでぃーえむかいじょ

パソコンやスマートフォンを、会社のMDM(端末管理サービス)の管理対象から外すことです。MDMは、端末の設定やアプリ、利用制限などを組織側でまとめて管理する仕組みで、リース端末を返却する際にも、会社による管理を終了するために解除します。

管理サービス側に端末の登録が残っていると、初期化後も以前の会社の設定が適用されることがあります。端末内のファイルを消すことと、会社による管理を終了することは、対象が異なる処理です。

MDM解除は、組織の正規の管理者が、そのサービスの手順に従って行います。保存された情報を取り除く「データ消去」に対し、MDM解除は管理サービスから端末の登録を外す作業を指します。

延長オプション

えんちょうおぷしょん

当初の期間が終わった後も、借手が契約で定められた条件に従ってリースを延長できる権利です。延長できる年数や料金、意思表示の期限などが、契約の一部として設けられています。

たとえば「3年間の利用後、借手の通知でさらに2年間使える」という条件が該当します。期間の終了後に双方が交渉して継続を決める場合とは、借手に延長する権利があらかじめある点が異なります。

新リース会計基準では、行使することが合理的に確実な延長期間を「借手のリース期間」に含めます。上の例で2年間の延長が合理的に確実なら、会計上の期間は5年間です。延長する権利の有無と、その権利を使う見込みは、別の要素として扱われます。

オフバランス

おふばらんす

取引に関する資産や負債を、貸借対照表に計上しないことです。「バランス」は、貸借対照表を意味するバランスシートに由来し、計上することを表す「オンバランス」と対になる言葉です。

続きを読む→

オペレーティング・リース

おぺれーてぃんぐりーす

ファイナンス・リースに該当しないリースです。たとえば、契約終了後に機器を再販売・再貸出しできる価値を見込み、その価値を料金設定に織り込む商品があります。

続きを読む→

オンバランス

おんばらんす

取引に関する資産や負債を、貸借対照表に計上することです。貸借対照表を意味するバランスシートから来た言葉で、計上しない「オフバランス」と対になります。

続きを読む→

買取

かいとり

借りていた設備を、代金を支払って自社の所有にすることです。同じ機器を使い続ける場合でも、借りた状態を継続する「再リース」とは異なり、売買によって所有者が変わります。

リースでは、契約に設けられた購入オプションを使う場合と、満了時などに所有者と改めて売買を合意する場合があります。購入できる権利があらかじめあるかどうかは契約によって異なります。

買取の代金は、未払いの料金を表す「残リース料」や、使用後に残ると見込む価値である「残価」とは別の金額です。リース料の支払いを終えていても、買取には別途代金が生じることがあります。所有権が移る時期や価格は、購入オプションまたは売買の条件で定められます。

解約オプション

かいやくおぷしょん

借手が契約で認められた条件に従い、一定の時点でリースを終了できる権利です。終了できる時期、通知期限、権利を使う際の支払額などが契約に定められます。

たとえば、5年契約に「3年目の終了時に通知し、所定額を払えば終了できる」という条件がある場合です。貸手との個別交渉で途中終了を合意する場合とは、終了を選べる権利が契約に組み込まれている点が異なります。

新リース会計基準では、この権利を行使しないことが合理的に確実な期間を、借手のリース期間に含めます。解約する見込みを期間に反映した場合は、行使に伴う違約金もリース負債の計算に含まれます。契約違反を理由に貸手が解除する権利とは別です。

解約精算金

かいやくせいさんきん

契約を途中で終了する際に、未払いの料金や残期間の負担などをまとめて精算する金額です。リース会社や契約によって、「解約弁済金」などの名称が使われる場合もあります。

設備のリースでは、残リース料相当額を基礎として計算する契約があります。たとえば、月額2万5,000円が12回残っていれば、残りの月額部分は30万円となり、この金額が精算の基礎になります(例・税等を除く)。

実際の精算金は、契約に応じて損害金や回収費用なども考慮して求めます。残リース料が将来の支払予定額を指すのに対し、解約精算金は途中終了の条件に基づく金額です。撤去費や返却の運搬費を含むか、別に支払うかも契約によって異なります。

カウンター料金

かうんたーりょうきん

複合機などが記録する出力カウント数に応じて計算される料金です。保守サービスの料金として使われ、モノクロとカラーで異なる単価を設定する契約などがあります。

たとえば、モノクロ1,000カウントを単価3円で計算すると3,000円です(例・税抜き)。最低料金や基本料金を設ける契約もあります。カウントは用紙の枚数ではなく出力面数などで数えられ、両面出力を2カウントとする場合があります。

料金には、契約で定めた範囲の修理、部品交換、トナーの供給などが含まれます。本体を借りるための「リース料」とは目的が異なり、購入した複合機でもカウンター料金が発生することがあります。料金に含まれるサービスやカウントの数え方は契約ごとに定められます。

貸手

かして

設備などを使う権利を提供し、その対価を受け取る側です。英語ではlessorといいます。法人向け設備リースでは、リース会社が貸手、設備を利用する企業が借手になる形が代表的です。

利用企業が複合機やパソコンを選ぶと、リース会社が販売会社から購入して貸し出します。機器が販売会社から直接届く場合でも、設備の売主と、利用企業に対する貸手は別の会社となることがあります。

貸手と借手のリース契約では、料金、期間、物件の管理、満了や解約時の扱いなどが定められます。一方、販売会社は機器の販売・納品を、保守会社は修理や点検を担います。「貸手」は商談の窓口や作業の担当者ではなく、リース契約上の立場を表す言葉です。

割賦

かっぷ

設備などの購入代金を、複数回に分けて支払う方法です。月々の支払いがある点はリースと似ていますが、物を借りる取引ではなく、購入を目的とする売買取引です。

たとえば、本体価格120万円と手数料12万円を60回で均等に支払う場合、総額は132万円、1回の支払額は2万2,000円です(例・税を考慮しない)。頭金を設けたり、初回・最終回の支払額を変えたりする契約もあります。

割賦では、完済まで売主などが所有権を保ち、支払いが終わると買主に移す「所有権留保」がよく用いられます。機器を受け取って使い始める時点と、所有権が移る時点が分かれる仕組みです。各回の支払いは、借りる料金ではなく購入代金等の分割払いに当たります。

借入金

かりいれきん

金融機関などから借り、後で返済する義務のあるお金です。借りた金額を元金、借入れの対価として支払う金額を利息といい、会計上、未返済の元金は負債として扱われます。

設備導入では、借りた資金で機器を購入し、その後に元金と利息を返済する方法があります。この場合、金融機関との借入契約と、販売会社との設備の売買契約は別です。設備を購入して貸し出すリースとは、資金と機器のやり取りが異なります。

たとえば、5万2,000円の支払いのうち元金が5万円、利息が2,000円なら、借入金の残高は5万円減ります。元金の返済は借入金という負債を減らす処理であり、購入した設備の取得費を減価償却で費用にする処理とは分かれます。

借手

かりて

設備などを使う権利を受け取り、その対価を支払う側です。英語ではlesseeといいます。会社で使う複合機をリースする場合、通常はその会社が借手となり、リース会社が貸手となります。

借手は、実際に機器を操作する人ではなく、リース契約の当事者を指します。利用部門が機種を選び、総務が契約を管理し、経理が料金を支払う場合でも、借手としての権利や義務を持つのは契約した会社です。

借手には、設備を利用する権利と、料金の支払い、物件の保管、満了時の返却などの義務が契約で定められます。設備の所有者と利用者は別であるため、貸手の所有物を売却したり、第三者へ貸したりする行為には、契約上の制限があります。

借手のリース期間

かりてのりーすきかん

新リース会計基準で、借手が設備などを使用する権利を持つ期間として、使用権資産やリース負債の計算に用いる期間です。契約書に記載された当初の年数と異なる場合があります。

続きを読む→

期限の利益

きげんのりえき

約束した期限が来るまでは、支払いなどの義務を履行しなくてもよいという利益です。分割払いで、将来の支払分を直ちにまとめて払わずに済むのは、この利益があるためです。

たとえば、月額2万円の支払いが24回残っている契約では、通常はそれぞれの期日に2万円ずつ支払います。48万円の義務を免れるのではなく、約束した時期まで支払いを待ってもらえるという意味です。

法令や契約で定められた事由によって「期限の利益を失う」と、将来分についてもまとめて支払いを求められる場合があります。リース契約では、料金の不払いなどに関する条項で使われます。期限の利益は支払時期に関する言葉であり、契約解除や損害金とは別の効果を表します。

規定損害金

きていそんがいきん

契約違反や物件の滅失など、契約に定められた事由が起きた場合に支払う損害金です。リース契約では、発生する条件と算定方法が本文や別表に設けられます。

続きを読む→

旧リース会計基準

きゅうりーすかいけいきじゅん

企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」と、その関連する適用指針などを指す呼び方です。企業会計基準第34号の新リース会計基準と区別するため、この用語集では「旧」と呼んでいます。

借手は原則として、ファイナンス・リースを売買に準じて資産・債務に計上し、オペレーティング・リースを賃貸借に準じて費用処理します。リースを二つに分類し、それぞれ異なる会計処理を行う点が特徴です。

新基準は2027年4月1日以後に開始する年度から原則適用され、2025年4月1日以後に開始する年度から早期適用が認められています。新基準へ移行する前の対象企業や、過去の財務諸表を説明する際には、旧基準の分類と処理を用います。

金利

きんり

お金を借りるときなどに、元金に対して支払う利息の割合です。通常、1年間を基準とする割合は「年利」と呼ばれます。利息の金額は、元金の残高、利率、借りている期間などから求められます。

たとえば、100万円を年3%で1年間借り、その間に元金を返済しない単純な条件では、利息は3万円です。元金を分割して返す契約では残高が減るため、利息も各時点の残高に応じて変わります。

「リース料率」は、機器の価格に対するリース料の割合です。リース料には機器代金の回収分や税・保険などの費用も含まれるため、利息だけの割合である金利とは異なります。金利が資金を借りる費用を表すのに対し、料率は物件価格と利用料金との関係を表します。

経済的耐用年数

けいざいてきたいようねんすう

設備を経済的に利用できると見込まれる期間です。摩耗や故障だけでなく、技術の進歩で性能が見劣りしたり、業務に必要な機能が変わったりすることも、利用できる期間に影響します。

たとえば、パソコンが正常に動いていても、必要な業務ソフトに対応できなくなれば、その業務で使い続ける価値は小さくなります。経済的耐用年数は、単に壊れるまでの年数ではなく、設備として役立つと見込まれる期間を捉えた言葉です。

税務で資産の種類ごとに定める「法定耐用年数」や、借りる期間を約束する「リース期間」とは目的が異なります。旧リース会計基準の借手や、新基準の貸手によるリースの分類では、リース期間が経済的耐用年数のどの程度を占めるかも、判断材料になります。

契約不適合

けいやくふてきごう

引き渡された設備などの種類・品質・数量が、契約で約束した内容に合っていないことです。違う機種が届く、注文した台数に足りない、合意した機能を備えていない、といった状態が該当します。

契約不適合は、単に機器に不満があることではなく、約束された内容との相違を指します。約束した機種や仕様は、注文書・仕様書などにも示されます。使用後の摩耗や操作上の問題とは、原因や発生時点が異なります。

リースでは、機器の買主であるリース会社と、実際に使う借手が分かれます。販売会社に対する修理や交換などの請求を、借手が行えるよう定める契約もあります。責任を誰が負うか、どのような請求ができるかは、売買契約とリース契約の定めによって異なります。

減価償却

げんかしょうきゃく

設備などの取得にかかった金額を、使用する期間に配分して費用にする手続きです。長く使う資産の取得費を、使うことで収益を生み出す各期間へ振り分けます。

たとえば、取得価額60万円の機器を3年間使い、残存価額をゼロとして均等に配分する場合、年間の減価償却費は20万円です(例・会計上の単純な計算)。この20万円は毎年支払う料金ではなく、取得済みの機器について帳簿上で計上する費用です。

リースでも、借手がリース資産や使用権資産を計上する場合は減価償却が関係します。期間や方法は、採用する会計基準と税務上の区分などによって異なります。代金を支払う時期と、減価償却によって費用にする時期は、別々に扱われます。

現金購入

げんきんこうにゅう

手元の資金で設備代金を支払って購入する方法です。紙幣で支払う場合だけでなく、預金から振り込んで一括購入する場合も含めて使われる言葉です。

代金を長期間の分割払いにせず、購入した設備を自社で保有します。購入時にまとまった資金が出ていく一方、その設備代金について将来の分割払いは残りません。設備を借りるリースや、購入代金を分割して支払う割賦とは、所有と支払いの仕組みが異なります。

一括で支払うことと、取得費を一度に費用にすることは別です。たとえば、100万円の設備代金を一括で払っても、減価償却する資産に該当すれば、会計・税務のルールに応じて費用を配分します。購入後の保守や消耗品の費用は、設備代金とは別に発生します。

現在価値

げんざいかち

将来受け取る、または支払う金額を、利率と期間を使って現在時点の価値に換算した金額です。将来の金額を現在へ戻す計算を「割り引く」といい、その計算に使う利率を割引率と呼びます。

たとえば、現在の10万円を年1%で運用すると、1年後は10万1,000円です。逆に、1年後の10万1,000円を年1%で割り引いた現在価値は10万円となります。複数回の支払いでは、各回の金額をそれぞれの時期に応じて換算し、合計します。

新リース会計基準では、借手のリース負債を原則として対象リース料の現在価値で計算します。支払総額が実際に払う金額の合計を表すのに対し、現在価値はその支払時期と割引率を反映した会計上の測定額です。

原資産

げんしさん

リースの対象となる機器や建物など、そのものを指します。複合機のリースならオフィスに設置される機械本体が、建物のリースなら利用する建物が原資産です。

原資産と、その資産を一定期間使える権利である「使用権資産」は区別されます。たとえば、複合機を5年間借りる契約では、機械本体が原資産、契約に基づいて5年間利用できる権利が使用権資産に当たります。

新リース会計基準では、所有権が貸手に残る原資産についても、借手は原則として使用権資産を計上します。「原資産」は利用の対象となる実物などを表し、「使用権資産」はその対象を使う権利を表す言葉です。対象となる原資産が特定されていることは、リースの識別にも関係します。

検収

けんしゅう

納品された機器などが、注文した内容に合っているかを検査し、受け入れることです。リースでは、機器を使用する企業が、機種・台数・仕様・動作などを確認して行います。

続きを読む→

原状回復

げんじょうかいふく

変更や損傷が生じた物を、契約で求められる元の状態に戻すことです。設備リースでは、追加・改造した部分や損傷箇所を、返却時の条件に合う状態へ戻す作業などを指します。

たとえば、後から取り付けた部品を外す、改造箇所を元に戻す、破損箇所を修復する、といった作業があります。使用した設備をすべて新品同様にするという意味ではなく、通常の使用による変化を含め、回復の対象となる範囲は契約によって決まります。

機器を設置場所から取り外す「撤去」や、指定先へ運ぶ「返却」とは別の作業です。同じ返却の機会に行われる場合でも、原状回復は物の状態を戻すこと、撤去・運搬は物を移動させるための作業という違いがあります。

購入オプション

こうにゅうおぷしょん

借手が契約で定めた条件により、リース対象の設備を購入できる権利です。購入できる時期や価格、その決め方などが、契約の一部として設けられています。

たとえば「満了時に10万円を支払えば購入できる」という条件が該当します。満了後に初めて買取を相談する場合とは、借手に購入する権利があらかじめ認められている点が異なります。実際の購入は、この権利を行使した場合に行われます。

新リース会計基準では、購入オプションを行使することが合理的に確実な場合、その行使価格をリース負債の計算に含めます。また、購入オプションを含むリースは、期間が12か月以内でも同基準の短期リースには該当しません。残価の不足を補う保証とは別の契約条件です。

合理的に確実

ごうりてきにかくじつ

リースの延長・解約・購入などの権利を行使する見込みについて、確実性の程度を表す会計用語です。新リース会計基準では、借手のリース期間やリース負債の計算などに用いられます。

この見込みは、単なる希望ではなく、その選択をする経済的な理由に基づいて判断します。たとえば、別の機器へ替えるために高額な移設・再設定費がかかる場合は、今の機器を使い続ける動機になります。延長後の料金や設備への追加投資も判断材料です。

基準には、一律に何%以上なら該当するという数値は設けられていません。権利を使うことが合理的に確実と判断されても、それ自体が契約上の意思表示になるわけではなく、会計上の見積りと実際の権利行使は区別されます。

固定資産税

こていしさんぜい

土地・家屋・償却資産に対して課される地方税です。設備に関しては、事業で使用する機械や備品などが「償却資産」として課税対象になります。

所有権移転外のリース物件は、一般に所有するリース会社が償却資産を申告します。一方、所有権移転リースや所有権留保付き割賦では、借手・買主が申告する取扱いがあり、契約の性質によって申告者が異なります。

リース会社が納税する場合、その税負担はリース料の計算に含まれることがあります。借手が直接税を納めることと、料金を通じて費用を負担することは別です。また、新リース会計基準で使用権資産を計上しても、それだけで固定資産税の申告者が変わるわけではありません。会計上の計上と地方税の課税関係は区別されます。

固定リース料

こていりーすりょう

使用量や売上などの変動に左右されず、契約によって金額が決まっているリース料です。毎回同じ金額であることではなく、金額の変化が将来の使用状況などに連動しないことに着目した言葉です。

たとえば「1年目は月2万円、2年目は月2万2,000円」と当初から金額が確定していれば、年ごとの支払額が異なっても固定リース料に当たります。売上や物価指数に連動して変わる料金とは区別されます。

新リース会計基準では、形式上は変動するように見えても、実質的に固定した支払いを含めて扱います。リース開始日時点で未払いの固定リース料は、原則としてリース負債の計算対象になります。保守などのサービスに対する料金は、設備を使う対価とは別の要素です。

債務不履行

さいむふりこう

契約などで負っている義務を、その内容に従って果たさないことです。リースでは、支払期日に料金を払わない、契約で禁止された物件の処分をする、といった行為が該当します。

義務の履行が遅れる場合だけでなく、約束した内容どおりに履行しない場合なども含まれます。設備が不要になったという事情そのものではなく、その結果として支払いなどの契約上の義務が果たされているかが問題になります。

債務不履行に対しては、履行の請求、契約解除、損害賠償、物件の返還などが関係します。将来分の支払いもまとめて求められる「期限の利益の喪失」を定める契約もあります。どの事由からどの効果が生じるかは、法令と契約の条件によって異なります。

再リース

さいりーす

リース期間が満了した後も、同じ機器を引き続き借りる契約です。機器を入れ替えて新たなリースを始めるのではなく、それまで使っていた機器の利用を継続します。

続きを読む→

再リース料

さいりーすりょう

リース期間が満了した設備を、引き続き借りるために支払う料金です。同じ機器の継続利用に対する対価であり、新しい機器を調達するための料金とは異なります。

再リースは一般に1年単位で行われ、当初のリース料より低い金額が設定されます。支払いは1年分をまとめる契約もあります。たとえば、1年分が3万6,000円なら月額換算は3,000円ですが、実際の支払いを毎月に分けるとは限りません(例・税等を除く)。

再リース料を支払っても、機器の所有権はリース会社に残ります。代金と引き換えに所有権を得る買取とは別のものです。また、保守が別契約の場合、その費用は再リース料に含まれません。継続して借りる料金と、維持・修理の料金は区別されます。

サプライヤー

さぷらいやー

製品や部品などを供給する事業者です。設備リースでは、対象の機器を供給するメーカーや販売会社を指し、利用企業が選んだ機器をリース会社に販売する立場になります。

たとえば、複合機の機種やオプションを提案し、利用企業の事業所へ納品する販売会社がサプライヤーに当たります。リース会社はその機器を購入して利用企業へ貸し出すため、販売・納品を担う会社と、月々のリース料を受け取る貸手は別になることがあります。

サプライヤーは、機器の仕様、数量、価格、納期などに関わります。保守も担当する場合がありますが、修理や点検の提供範囲は保守契約によって決まります。「サプライヤー」は供給者としての役割を表し、貸手や借手とは異なる立場です。

サブリース

さぶりーす

借りている設備などを、元のリース契約を残したまま第三者へさらに貸す取引です。転貸とも呼ばれ、間に入る会社は元の契約では借手、第三者との契約では貸手になります。

たとえば、A社がリース会社から借りた機械をB社に貸す場合、リース会社とA社の契約に加え、A社とB社の契約が生じます。B社への貸出しが始まっても、A社と元のリース会社との契約は継続します。

同じ会社内で設備を移動させることとは異なり、別の契約相手へ使用を認める取引です。転貸には元の貸手の承諾が必要となる場合があります。新リース会計基準では、中間の貸手は原則として、元の契約から生じる使用権資産を基に、サブリースを分類します。

残価

ざんか

機器などを一定期間使用した後に残ると見込まれる価値です。リースでは、主に契約満了時点の機器の価値を指します。たとえば、導入時に100万円だった機器が5年後に20万円で売却できると見込む場合、その20万円が残価に当たります。

続きを読む→

残価保証

ざんかほしょう

リース終了時の機器の価値が、契約で定めた保証額を下回った場合に、その不足額を支払う義務を負う条件です。借手や、貸手と関連のない第三者などが保証する場合があります。

続きを読む→

残リース料

ざんりーすりょう

リース契約のうち、まだ支払いが残っている期間に対応するリース料です。機器の入れ替えや中途解約などの場面で、元の契約に残る支払額を表す言葉として使われます。

続きを読む→

仕入税額控除

しいれぜいがくこうじょ

消費税の納付額を計算する際に、課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を差し引く仕組みです。原則課税では、所定の帳簿や適格請求書等の保存が関係します。

たとえば、売上げの税額30万円から、全額控除できる仕入税額12万円を差し引くと18万円になります(例・他の調整を省略)。仕入れの金額を費用として差し引くことではなく、消費税額どうしを差し引く計算です。

税務上売買とされるリースは、原則として資産の引渡し時に課税仕入れを認識します。ただし、所有権移転外リースを借手が会計上賃貸借処理する場合には、支払うべき日の属する課税期間での分割控除も認められます。控除の時期と料金の支払時期は、別の概念です。

資産計上

しさんけいじょう

設備や権利などを、会計上の資産として帳簿に記録することです。取得した金額をその期の費用にすべて入れるのではなく、将来の利用などに対応する資産として表します。

たとえば、100万円の機器を現金で購入して備品に計上すると、現金預金が100万円減り、備品が100万円増えます(例・税等を省略)。減価償却する資産であれば、その後は取得費を使用期間に配分し、各期の減価償却費として計上します。

新リース会計基準では、機器の所有権がなくても、借手は原則として使う権利を「使用権資産」に計上します。資産計上は会計上の記録に関する言葉であり、その物の所有者になることや、計上した日に同額の現金を支払うことを意味するものではありません。

支払委託

しはらいいたく

工事代金などの支払いを金融会社等に委託し、その会社が支払った金額などを、利用企業が分割払い等で返す仕組みです。設備を購入して貸し出すリースに対し、代金の支払いを代行する契約です。

続きを読む→

資本的支出

しほんてきししゅつ

既存の設備の価値を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする部分に対応する支出です。通常の維持管理や原状回復のための「修繕費」と区別されます。

たとえば、機械の能力を高める改良や、通常の交換を超える高性能な部品への取替えなどが該当する場合があります。一つの工事に故障の修復と性能向上の両方が含まれるときは、価値の増加などに対応する部分が資本的支出になります。

資本的支出は、資産として扱い、減価償却などによって期間に配分する対象となります。請求書に「修理代」と記載されていても、実際の作業が価値を高めるものであれば、資本的支出に当たるかを判断します。支出の名称ではなく、設備にどのような変化をもたらしたかに着目した言葉です。

修繕費

しゅうぜんひ

設備の通常の維持管理や、壊れた部分を元の状態に戻すための費用です。故障した部品を同等のものに取り替えるなど、設備本来の働きを保つための支出が例として挙げられます。

一方、機能や性能を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする部分は「資本的支出」に当たる場合があります。同じ修理工事でも、元の状態への回復と、価値の増加に対応する部分とでは、会計・税務上の扱いが異なります。

リース中の設備についても修理費用は発生しますが、誰が負担するかはリース契約や保守契約によって決まります。保守料金に含まれる修理、事故による保険の対象となる損害、別途費用が生じる作業などがあり、修繕費という区分と、契約上の費用負担は別のものです。

取得価額

しゅとくかがく

資産を取得するためにかかった金額として、会計・税務上の計算の基礎になる額です。購入代金のほか、取得や使用開始に直接必要な運送・据付などの費用を含める場合があります。

たとえば、機械本体100万円と、取得価額に含める据付費10万円を合わせると、取得価額は110万円です(例・税等を省略)。そのため、見積書に示された本体価格と、減価償却の基になる取得価額が異なることがあります。

取得時の金額を示す取得価額に対し、減価償却などを反映した帳簿上の残高を「帳簿価額」といいます。また、新リース会計基準の使用権資産は、リース負債に前払分などを調整して算定するため、機器本体の購入価格をそのまま計上する仕組みとは異なります。

少額減価償却資産

しょうがくげんかしょうきゃくしさん

取得価額などが税法の一定の条件を満たす、少額の減価償却資産です。通常の耐用年数にわたる減価償却に代えて、一時に損金にする取扱いなどの対象になります。

少額の資産を扱う税務上の制度には、全額を損金にする取扱い、中小企業者等の特例、一定期間に配分する一括償却資産の制度などがあります。対象企業、取得価額、取得・使用開始時期、経理方法などの条件は制度ごとに異なります。金額は通常取引される単位で判定されます。

新リース会計基準の「少額リース」は、資産・負債の計上に関する会計上の簡便処理で、これらの税務制度とは別です。所有権移転外リース取引で取得したものとされる資産には適用除外があり、同額の購入品と同じ扱いになるとは限りません。

少額リース

しょうがくりーす

金額的重要性などの条件を満たし、新リース会計基準で使用権資産とリース負債を計上しない簡便処理の対象となるリースです。この処理では、原則としてリース料を期間にわたって定額で費用にします。

続きを読む→

償却資産

しょうきゃくしさん

固定資産税では、土地・家屋以外の事業用資産のうち、減価償却の対象となる機械や備品などを指します。事業で使うパソコン、複合機、机、椅子などが対象になり得ます。

法人税における減価償却資産と範囲が完全に同じではありません。たとえば、ソフトウェアなどの無形固定資産は、固定資産税の償却資産から除かれます。少額資産も、法人税で一時に損金にしたことだけで申告対象外になるわけではなく、適用した制度などが関係します。

リースでは、使用する企業とは別に、機器を所有するリース会社が申告する場合があります。会計上の使用権資産を計上することと、固定資産税の償却資産を申告することは、対象や申告者を決める根拠が異なります。

使用権資産

しようけんしさん

リース契約に基づいて、借りた機器や建物などを一定期間使用できる権利を表す、会計上の資産です。自社が所有する物そのものではなく、契約によって得た「使う権利」に着目した言葉です。

続きを読む→

消費税

しょうひぜい

国内で事業者が対価を得て行う資産の販売・貸付けや、サービスの提供などを対象とする税です。設備の販売やリースも課税取引に当たり、見積書などでは本体の金額と消費税額を分けて表示する場合があります。

たとえば、税抜きの月額リース料2万円に税率10%を適用すると、税額は2,000円、税込支払額は2万2,000円です。税抜金額は税を含まない対価、税込金額は税を含めて支払う金額を指します。

事業者の申告では、売上げの税額から仕入れ等の税額を差し引く「仕入税額控除」などが関係します。リースでいつ控除するかは、税務上の取引区分や会計処理などで異なり、毎月の請求額に税が含まれることと、税額を控除する時期は別に扱われます。

使用を支配する権利

しようをしはいするけんり

特定された資産の使用から生じる経済的利益のほとんどすべてを得る権利と、その資産の使用を指図する権利を、一定期間にわたって持つことです。新リース会計基準で、契約にリースが含まれるかを判断する要素になります。

たとえば、特定の加工機を専用で使い、何をいつ生産するかを利用企業が決める契約では、この権利が関係します。一方、加工会社から部品を購入するだけなら、設備や生産方法を決めるのは加工会社ということがあります。

「支配」は、物の所有権ではなく、使用による利益と、使い方を決める権利に着目した言葉です。貸手による保守や安全上の制限が設けられていても、それだけで借手が使用を支配していないことにはなりません。

初期費用

しょきひよう

設備を使い始めるまでに必要になる費用です。機器代金のほか、運送、搬入、設置、ネットワーク設定、データ移行などが含まれる場合があります。

リースでは機器代金の支払いを契約期間に分散しますが、設置や初期設定の料金を開始時に一括で支払う契約もあります。このように、本体の月額リース料とは別に、導入時点で生じる費用を初期費用と呼ぶことがあります。

初期費用は、支出する時期に着目した言葉であり、会計上の一つの勘定科目を指すものではありません。内容により、資産の取得価額、前払費用、その期の費用などに分かれます。毎月の保守や消耗品など、利用を続ける間に繰り返し生じる維持管理費とは区別されます。

所有権

しょゆうけん

法令の制限内で、物を自分のものとして使用し、利益を得て、処分できる権利です。設備リースでは、機器を使用する借手と、所有権を持つリース会社が分かれる形がよく用いられます。

会社に設置された複合機でも、リース会社の所有物であれば、借手が得るのは契約に基づく使用の権利です。借手が機器を売却・廃棄することには制限があり、満了後も契約に従って返却や再リースなどを行います。

所有権は、現物を使用していることや、会計帳簿に資産を計上していることとは別です。新リース会計基準の使用権資産は「使う権利」を表します。また、割賦では完済まで所有権を売主などに残す契約があり、機器の引渡しと所有権の移転が別の時点になる場合があります。

所有権移転外ファイナンス・リース

しょゆうけんいてんがいふぁいなんすりーす

ファイナンス・リースのうち、契約条件などから設備の所有権が借手へ移転すると認められるものを除いた区分です。設備を使う経済的な利益と費用を借手が実質的に引き受ける一方、所有権の移転を前提としません。

続きを読む→

所有権移転外リース取引

しょゆうけんいてんがいりーすとりひき

法人税法上のリース取引のうち、無償・名目的な対価による譲渡など、所定の所有権移転等の条件に該当しない取引です。会計上の「所有権移転外ファイナンス・リース」とは、名称が似ていても税法に基づく別の区分です。

続きを読む→

所有権移転ファイナンス・リース

しょゆうけんいてんふぁいなんすりーす

契約条件などから、設備の所有権が借手に移転すると認められるファイナンス・リースです。期間中の料金で物件の取得費用などを回収することに加え、所有権の移転に着目した会計上の区分です。

続きを読む→

所有権留保

しょゆうけんりゅうほ

売買代金がすべて支払われるまで、売主などが物の所有権を保っておく仕組みです。買主は先に機器を受け取って利用し、完済後に所有権が移る形が、設備の割賦購入などで使われます。

続きを読む→

申告調整

しんこくちょうせい

会計上の利益から法人税の課税所得を計算する際に、会計と税務の取扱いの差を申告書上で加算・減算することです。決算書の費用や収益と、税法上の損金・益金には、金額や計上時期が異なるものがあります。

たとえば、会計上の費用が減価償却費24万円と利息3万円、税務上の対象賃借料が25万円なら、会計費用27万円を加算し、25万円を減算します。結果として、所得は会計上の利益より2万円増えます。

リースでは、新基準で使用権資産とリース負債を計上しても、税務上は通常の賃貸借として扱う取引などがあり、申告調整が関係します。帳簿の誤りを直すことではなく、異なるルールで算定された利益と所得をつなぐ処理です。

新リース会計基準

しんりーすかいけいきじゅん

企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」と、関連する適用指針などを指す呼び方です。借手が原則として、設備などを使う権利を「使用権資産」、料金の支払義務を「リース負債」に計上することが特徴です。

旧基準でオペレーティング・リースとして賃貸借処理していた取引にも、資産・負債の計上が広がります。契約の名称ではなく内容からリースを識別し、短期・少額リースには簡便処理が設けられています。

2027年4月1日以後に開始する年度から原則適用され、2025年4月1日以後に開始する年度から早期適用が認められています。中小会計要領などを採用する企業が一律に切り替わるものではなく、企業が用いる会計ルールによって対象が異なります。

早期適用

そうきてきよう

新しい会計基準を、原則的な適用開始年度より前に採用することです。基準で認められた開始時期から選択でき、会社の財務報告に用いる会計ルールを先に移行することを指します。

新リース会計基準は、2027年4月1日以後に開始する年度から原則適用されますが、2025年4月1日以後に開始する年度から早期適用できます。判定の基準は決算日ではなく、年度が始まる日です。

たとえば、1月1日に年度が始まる12月決算企業では、原則適用の最初の年度は2028年1月1日開始となります。それより前に、認められた時期から採用するのが早期適用です。同じ時期の財務諸表でも、早期適用の有無によりリースの表示が異なる場合があります。

総支払額

そうしはらいがく

定められた期間に支払う金額を合計したものです。リースでは、毎回のリース料を契約期間全体で足し合わせた金額を指す場合が多く、毎回同額なら月額に支払回数を掛けて求めます。

たとえば、月額2万2,800円を60回支払う契約のリース料総額は136万8,000円です。月額1万9,800円を72回支払う場合は142万5,600円となります(例・税抜き)。月額が低くても、支払回数が多ければ総支払額は大きくなることがあります。

初期費用や保守料金などを含めて使われる場合もあり、総額に含む範囲は見積もりなどの目的によって異なります。また、総支払額は支払いの合計を表し、支払時期と利率を使って現在へ換算する「現在価値」とは別の金額です。

ソフトウェアリース

そふとうぇありーす

ソフトウェアを使う権利を、リース会社を通じて一定期間利用する仕組みです。リース会社が取得した使用権に基づき、利用企業へ利用を認める形などがあり、ソフトウェアの著作権そのものを買い取る取引ではありません。

続きを読む→

損金算入

そんきんさんにゅう

法人税の課税所得を計算する際に、費用や損失を差し引くことです。会計上の費用と税務上の損金は、対象となる範囲や計上時期が異なる場合があります。

たとえば、10万円を損金に算入すると、原則として課税所得が10万円減ります。税額がそのまま10万円減るという意味ではなく、税額への影響は税率や所得の状況などによって変わります。

設備に関する支出では、使用した期間の賃借料を損金にする場合と、取得費を減価償却によって各期間の損金にする場合があります。税務上購入したものとみなすリースは、原則として取得費を減価償却によって各期間の損金にします。損金算入は、現金を支払ったかどうかだけでなく、その支出を税法上いつ、いくら差し引くかを表す言葉です。

短期リース

たんきりーす

新リース会計基準で、リース開始日の「借手のリース期間」が12か月以内で、購入オプションを含まないリースです。該当する場合は、使用権資産とリース負債を計上せず、リース料を期間に応じた費用とする簡便処理を選択できます。

続きを読む→

中小会計指針

ちゅうしょうかいけいししん

「中小企業の会計に関する指針」の略称です。対象となる中小企業が決算書を作成する際に拠りどころとする会計ルールの一つで、資産・負債や収益・費用などの処理を示しています。

リースについては、所有権移転外ファイナンス・リースを売買に準じて処理することを原則としながら、賃貸借に準じた処理も認めています。後者では、重要性のある未経過リース料の注記などが関係します。

名称の似た「中小企業の会計に関する基本要領」とは別のルールです。中小会計指針は会計上の処理を定めるものであり、法人税の取引区分や損金算入の条件を定めるものではありません。同じリースについても、採用する会計ルールと税法により、費用の扱いが異なる場合があります。

中小会計要領

ちゅうしょうかいけいようりょう

「中小企業の会計に関する基本要領」の略称です。対象となる中小企業が、経営状況を把握し、金融機関などへ説明するための決算書を作成する際に使う会計ルールの一つです。

リースについては、賃貸借に準じた処理または売買に準じた処理を行います。賃貸借に準じる場合は、利用期間に対応するリース料を費用として計上し、売買に準じる場合は、設備を取得した取引に準じて扱います。

「中小企業の会計に関する指針」とは名称が似ていますが、別の文書です。また、会計上は賃貸借として処理していても、法人税では購入したものとみなされるリースがあります。中小会計要領は決算書作成のための会計ルールであり、税務上の取扱いとは区別されます。

中途解約

ちゅうとかいやく

契約で定めた満了日より前に、リース契約を終了することです。設備のファイナンス・リースは、契約期間中の料金で物件の取得費用などを回収するため、原則として利用者の都合で自由に解約できない仕組みです。

貸手との合意により途中終了する場合にも、残リース料などを基にした精算金が必要になることがあります。たとえば、5年契約の複合機を3年目で返却する場合、残る契約期間の負担を基に精算する場合があります。

物件を返す「返却」と、契約を終える「中途解約」は別のものです。また、契約に組み込まれた解約オプションの行使、個別交渉による終了、契約違反に伴う解除では、終了の根拠と条件が異なります。解約の可否や精算額は契約に基づいて定まります。

注文請書

ちゅうもんうけしょ

受け取った注文を、その条件で引き受けることを示す書類です。買主が発行する「注文書」に対して、注文を受ける売主や販売会社が作成します。

法人向け設備リースでは、利用企業が選んだ機器をリース会社が販売会社へ発注し、販売会社が注文請書を返す形があります。機種、数量、価格、納期、納品先などが記載され、何をどの条件で納めるかについて、注文を受ける側の承諾を表します。

注文を引き受けたことを示すため、機器の納品や受入れを示す書類とは時点も役割も異なります。納品後に利用企業が検収して作成する物件借受証は、別の書類です。売買契約が成立する時点は、注文請書という名称だけでなく、注文書や基本契約などの条件も関係します。

注文書

ちゅうもんしょ

設備などの購入を申し込むために、買主が売主へ出す書類です。機種、数量、価格、納期、納品先などを記載し、購入したい内容と条件を具体的に伝えます。

設備リースでは、利用企業が使う機器を選び、リース会社が販売会社から購入する形が代表的です。この場合、買主であるリース会社が注文書を出し、機器の納品先には利用企業の事業所を指定することがあります。

販売条件を提示する「見積書」と異なり、注文書はその内容で購入を申し込むためのものです。売主が注文を承諾する書類を「注文請書」といいます。また、利用企業とリース会社との利用条件を定めるリース契約書や、納品後の受入れを示す物件借受証とも、役割が異なります。

帳簿価額

ちょうぼかがく

会計帳簿に記録されている資産や負債の金額です。設備について使う場合は、取得時の金額から、それまでに計上した減価償却などを差し引いた残高を指します。

たとえば、120万円で取得した機器について48万円の減価償却を行い、ほかに調整がなければ、帳簿価額は72万円です。中古で売却できる価格や、将来の価値を見込んだ残価とは異なり、過去の取得・償却などを反映した会計上の金額です。

新リース会計基準で計上する使用権資産にも帳簿価額があります。一方、リース負債は利息や支払いによって残高が変わるため、両者の帳簿価額は一致するとは限りません。物の市場価値、帳簿の残高、契約上残る支払額は、それぞれ別の数値です。

賃貸借処理

ちんたいしゃくしょり

リースなどを、物を借りて使う取引として会計処理することです。リース料は原則として利用期間に応じて費用とし、購入に準じて資産と債務を計上する「売買処理」と区別されます。

たとえば、月額2万円で6か月利用する契約では、その期間の費用は合計12万円です。先にまとめて支払った場合は、将来の利用期間に対応する部分を前払費用として扱うことがあります。支払った日に全期間の費用が生じるという意味ではありません。

旧リース会計基準、中小企業向けの会計ルール、新基準の短期・少額リースの簡便処理などで、適用の条件が異なります。また、会計上の賃貸借処理と法人税の取引区分は別で、税務上は購入したものとみなすリースもあります。

追加借入利子率

ついかかりいれりしりつ

借手が、リースと似た期間や条件で必要な資金を借りるとした場合に、適用されると見込まれる利率です。新リース会計基準で、将来のリース料を現在価値に換算する割引率として用いられます。

借手が貸手の計算に用いられた利率を知り得る場合はその利率を使い、知り得ない場合に追加借入利子率を使います。実際に融資を申し込むことではなく、借入れを仮定した利率を会計上の測定に利用する考え方です。

利率は、リース期間、借手の信用状況、担保などの条件によって異なります。そのため、現在の借入金に適用されている利率と同じになるとは限りません。物件価格に対する月額料金の割合である「リース料率」とは、基準となる金額と計算の目的が異なります。

追加契約

ついかけいやく

利用中の設備に機器を増やすなど、追加の対象について結ぶ契約です。たとえば、リース中のパソコン10台に3台を増やす場合、追加する3台について新たなリース契約を結ぶ形があります。

元の契約と別に契約する場合は、それぞれに料金、開始日、満了日が設けられます。元の5年契約が始まって1年後に、新たな5年契約で追加すれば、追加分の満了は元の契約より1年後になります(例)。

元の機器を使い続けながら対象を増やす点で、旧機器を返して新しい機器へ交換する契約とは異なります。元の契約の条件を変更して追加する方法もあり、別契約とするかどうかは、契約内容やリース会社の取扱いによって変わります。

定額法

ていがくほう

設備などの取得価額を、使用する期間にわたって原則として毎期同じ金額ずつ費用に配分する減価償却の方法です。資産を使うことによる費用を、各期間へ均等に振り分ける考え方です。

たとえば、90万円の機器を3年間使い、残存価額をゼロとして償却すると、年間の減価償却費は30万円です(例・会計上の単純な計算)。実際の税務計算では、法定の償却率やその期に使用した月数などを使って計算します。

毎期同じ額を費用にする方法であり、代金を毎月同額ずつ支払うこととは別です。また、法人税の所有権移転外リース取引に用いる「リース期間定額法」は、契約のリース期間を基に計算します。通常の定額法とは、計算に使う期間などが異なります。

データ消去

でーたしょうきょ

パソコンや複合機などに保存された情報を、再利用や廃棄の際に読み出されないよう処理することです。ファイルの削除操作だけでは情報が残る場合があるため、記憶媒体に応じた消去方法が用いられます。

対象には、パソコンの文書や顧客情報のほか、複合機に保存されたデータなどがあります。機器を返却して別の利用者が使う場面では、以前の利用者の情報と機器を切り離す処理に当たります。再利用を続けるか、媒体を処分するかによっても方法は異なります。

端末内の情報を消す作業と、会社のMDMなどから管理登録を外す作業は別です。データ消去は保存情報、管理解除は組織による端末管理を対象にします。また、リース物件の媒体を破壊する方法には、所有者との契約条件が関係します。

適格請求書

てきかくせいきゅうしょ

消費税の仕入税額控除に必要な事項を記載し、登録事業者が発行する請求書などです。インボイスとも呼ばれ、発行者の登録番号、取引内容、適用税率、税率ごとの金額や消費税額などが記載されます。

書類の名称が「請求書」である必要はありません。相互の関連が明確な複数の書類で、必要事項を満たすこともできます。リースでは、契約書とリース料支払明細書などを組み合わせた形式が使われる場合があります。

適格請求書は、取引内容と税額を伝え、保存するための書類です。料金の支払義務そのものを定めるリース契約書や、入金・引落しの事実を示す記録とは役割が異なります。仕入税額控除には帳簿の保存なども関係し、控除の時期は税務上の取引区分等に基づきます。

撤去費

てっきょひ

設置された設備を取り外し、搬出できる状態にするための費用です。機器の解体、固定部分の取り外し、配線の切り離しなど、設備や設置状況によって作業の内容が変わります。

たとえば、床や壁に固定された設備を返却する際は、まず接続や固定を解除して移動できる状態にします。この作業の費用が撤去費で、そこからリース会社の指定場所まで運ぶための運搬費とは異なります。

大型機器や狭い搬出経路では、専用の作業や人員が必要になる場合があります。設置跡を戻す原状回復費、保存情報を消すデータ消去費なども別の費用です。同じ見積書にまとめられる場合もありますが、撤去費は主に機器を設置状態から取り外す作業の対価を指します。

動産総合保険

どうさんそうごうほけん

設備や機器などの動産について、火災、盗難、偶然の事故による損害などを補償する保険です。法人向け設備リースでは、リース会社が対象物件に保険を付けている場合があります。

保険が対象とする事故、補償の上限、自己負担額、対象外となる損害は契約によって異なります。事故による破損と、日常の使用による摩耗や経年劣化とでは扱いが異なり、通常の修理がすべて保険で補償されるものではありません。

保守契約が点検や修理などのサービスを定めるのに対し、動産総合保険は所定の事故による損害の補償を定めます。リース料に保険関係の費用が含まれる場合でも、保険の補償と、リース契約に基づく料金の支払い・終了時の精算は別の仕組みです。

特定された資産

とくていされたしさん

契約によって、使用する対象が定まっている資産です。新リース会計基準では、契約にリースが含まれるかを判断する要素となります。製造番号などで明示される場合のほか、実際に提供される資産から特定される場合もあります。

たとえば、決められた1台の機械を使う契約では、その機械が対象になります。一方、供給者が使用期間全体を通じて別の機械に入れ替える実際の能力を持ち、入れ替えに経済的利益がある場合は、資産が特定されないことがあります。

故障時の修理・交換の権利だけで、この条件から外れるわけではありません。特定された資産は「何を使うか」に関する概念です。その資産の使用を誰が支配するかという条件と合わせて、リースの識別が行われます。

ノンキャンセラブル

のんきゃんせらぶる

契約期間中に自由に解約できないことです。設備のファイナンス・リースを特徴づける条件の一つで、「解約不能」とも表現されます。

続きを読む→

売買処理

ばいばいしょり

リース取引を、設備を購入した取引に準じて会計処理することです。旧リース会計基準では、ファイナンス・リースについて、原則としてリース資産とリース債務を計上する方法が用いられます。

毎月の料金をそのまま全額費用にするのではなく、資産の減価償却と、債務の返済や利息を分けて扱うのが基本です。たとえば、借りている複合機でも、購入に準じて帳簿へ資産と債務を記録することがあります。

会計上の売買処理と、機器の所有権が移ることは別です。また、法人税にも一定のリースを売買とみなす取扱いがありますが、会計と税務の判定要件は異なります。新リース会計基準の借手は、原則として設備を使う権利と支払義務を資産・負債として捉えます。

非リース構成部分

ひりーすこうせいぶぶん

一つの契約に含まれる内容のうち、資産を使う権利の提供以外の部分です。設備の利用と保守をまとめた契約では、点検や修理などの保守サービスが、その例に当たります。

新リース会計基準では、原則としてリース部分と非リース部分に分け、契約の対価を配分します。一つの月額料金として請求されていても、機器を使うことへの対価と、サービスを受けることへの対価を区別する考え方です。

税金や保険料の回収などは、それだけで独立したサービスの提供になるものではありません。非リース構成部分は、料金の名称ではなく、契約で何が提供されるかによる区分です。借手には、原資産の種類等に応じて関連する非リース部分を分けずに処理する選択肢もあります。

ファイナンス・リース

ふぁいなんすりーす

原則として途中で解約できず、借手が設備の使用による経済的な利益を受け、その費用を実質的に負担するリースです。利用企業が選んだ機器をリース会社が購入し、その企業へ一定期間貸し出す形が代表的です。

続きを読む→

物件価格

ぶっけんかかく

リースの対象となる機器や設備の購入価格です。リース会社が販売会社から物件を調達する価格で、月額リース料を計算する基となる金額として使われます。

同じ機種でも、台数、付属品、オプションなどの構成によって物件価格は変わります。本体だけの価格と、周辺機器や設置費などを合わせた価格とでは、対象に含まれる内容が異なります。

物件価格に対するリース料の割合を「リース料率」といいます。契約期間中のリース料には金利、税金、保険料などに関係する費用も含まれるため、物件価格とリース料の総額は別の金額です。また、会計・税務で使う取得価額には使用開始までに直接必要な費用が加わる場合があり、見積書の物件価格と一致するとは限りません。

物件借受証

ぶっけんかりうけしょう

リースする機器が納品され、利用企業が内容を検査して受け入れたことを、リース会社へ示す書類です。対象物件、数量、借受日などが記載され、物件の引渡しやリース開始に関わる資料となります。

続きを読む→

フルペイアウト

ふるぺいあうと

リース期間中の料金で、設備の取得費用や金利などの費用をほぼ全額回収することです。ファイナンス・リースを特徴づける性質の一つで、利用企業が設備の使用に伴う費用を実質的に負担します。

続きを読む→

返却

へんきゃく

利用していたリース物件を、契約に従ってリース会社などへ返すことです。満了時に再リースをしない場合などに行われ、契約で定めた機器や付属品を、指定された場所へ戻します。

返却する物件には、機器の本体のほか、契約の対象となる付属品などが含まれます。設置された設備の取り外しや運送が伴う場合もあり、パソコンや複合機では保存データの消去や管理登録の解除が関係します。

返却は、物件を戻す行為を表す言葉です。契約を途中で終える「中途解約」とは別で、機器を送っただけで残りの支払義務が消えるものではありません。撤去・運送の費用負担や返すべき状態は契約に定められ、機器を元の状態へ戻す「原状回復」とも区別されます。

変動リース料

へんどうりーすりょう

設備の使用量、売上、物価指数、金利など、開始後に生じる事象や状況によって金額が変わるリース料です。単なる時の経過ではなく、何に連動して料金が変動するかに着目した言葉です。

新リース会計基準では、物価指数や金利に連動するものは、原則として開始日時点の指数や利率を基にリース負債へ含めます。一方、使用量や売上に応じるものは、原則として開始時の負債には含めず、条件が生じた期間の費用として扱います。

将来の増額が当初から確定している料金は、年ごとの支払額が違っても固定リース料に当たる場合があります。また、使用量で変動する料金でも、複合機の保守サービスなどの対価は、設備の使用に対する変動リース料とは別の要素です。

法人税法上のリース取引

ほうじんぜいほうじょうのりーすとりひき

中途解約ができないことなど、法人税法に定める要件を満たす資産の賃貸借です。借手が資産の使用による経済的な利益を実質的に受け、その使用に伴う費用も実質的に負担する取引が対象になります。

該当する場合、原則として資産の引渡し時に売買があったものとして扱います。法律上は借りている機器でも、税務上は借手が購入したものとみなし、減価償却などを行う仕組みです。

さらに、所有権移転外リース取引に該当するかどうかで償却方法などが異なります。契約の商品名や会計処理だけで区分が決まるものではありません。新リース会計基準で使用権資産を計上する取引でも、法人税では通常の賃貸借となる場合があり、会計と税務の対象範囲は区別されます。

法定耐用年数

ほうていたいようねんすう

税務上の減価償却に用いるため、資産の種類、用途、構造などに応じて定められた年数です。設備などの取得費を、税務上どの期間に配分するかを計算する基準になります。

法定耐用年数は、機器がその年数で壊れることや、メーカーが使用を保証する期間を意味するものではありません。実際の利用可能期間は、使用頻度や保守、必要な性能などによって変わります。経済的に使える期間を見込む「経済的耐用年数」とも目的が異なります。

借りる期間を定める「リース期間」は、契約上の期間です。税務上の所有権移転外リース取引では、原則として法定耐用年数ではなく、リース期間を基にしたリース期間定額法で償却します。資産の種類による税務上の年数と、契約上の年数は別のものです。

保守契約

ほしゅけいやく

機器の点検、修理、部品交換などのサービスと、その提供条件を定める契約です。対象となる機器や故障、対応する時間帯、消耗品の扱い、料金などが設けられます。

料金には、毎月の定額、使用量に応じた従量料金、修理などを行う都度の支払いなどがあります。複合機では、出力カウント数に応じた料金で、一定の保守やトナーの供給などを受ける契約が使われます。

設備を借りるためのリース契約とは目的が異なり、契約相手や期間も別になる場合があります。購入した機器について保守契約を結ぶことも、リースと保守を組み合わせることもあります。機器本体を再リースして使い続ける場合にも、保守サービスの継続や料金は、保守契約の条件に基づきます。

前払リース料

まえばらいりーすりょう

将来の利用期間に対応するリース料を、先に支払ったものです。翌月分を前月に支払う場合や、契約開始時に一定額をまとめて支払う場合などがあります。後で返還されることを予定する保証金とは、支払いの目的が異なります。

新リース会計基準では、開始日までに支払ったリース料を使用権資産の計算に加えます。一方、リース負債は、まだ支払っていない対象リース料を基に算定します。

たとえば、未払分の現在価値が90万円、開始日に支払ったリース料が10万円で、ほかに調整がなければ、使用権資産は100万円、リース負債は90万円です(例・税等を省略)。前払分は既に支払い済みのため、利用する権利の金額には含まれますが、将来の支払義務には残りません。

見積書

みつもりしょ

購入する機器や依頼する作業の内容、数量、金額などを提示する書類です。契約や発注に先立ち、提供する物やサービスに対して、どのような料金・条件になるかを示します。

設備リースでは、販売会社が示す物件の見積書と、リース会社が示すリース条件の見積もりが分かれる場合があります。前者は機種、台数、オプションなどの価格を、後者は月額リース料、支払回数、期間などを示します。

設置・設定・保守を含める範囲や、見積もりの有効期限なども条件の一部です。見積書は条件の提示であり、購入を申し込む注文書や、権利・義務を定めるリース契約書とは役割が異なります。リース審査の承認や、納品後に受け入れたことを示す書類でもありません。

メンテナンス・リース

めんてなんすりーす

機器の貸出しに、点検や修理などの維持管理サービスを組み合わせたリースです。設備を使うことと、使い続けるための保守を、一体のサービスとして提供する形を指します。

続きを読む→

リース

りーす

設備などを一定期間借り、その対価を支払う取引です。法人向け設備のファイナンス・リースでは、利用企業が選んだ複合機やパソコンをリース会社が購入し、その企業に貸し出す形が代表的です。

販売会社は機器の販売・納品を、リース会社は購入と貸付けを担い、利用企業は契約した料金を支払って設備を使います。購入代金を分割して支払う割賦とは異なり、利用企業が直接機器を買うことを目的とする取引ではありません。

リースには、原則として中途解約できず取得費用などを期間中に回収するファイナンス・リースや、それ以外のオペレーティング・リースがあります。満了後の返却、再リース、所有権の移転などは契約によって決まり、料金を払い終えることと所有権の取得は別です。

リース開始日

りーすかいしび

貸手が、借手によるリース物件の使用を可能にする日です。新リース会計基準では、この日を原則として使用権資産とリース負債を計上する起点とします。

契約実務では、検収を終えて機器を受け入れた日を物件借受証に記載し、リースの開始日とする形があります。契約の内容に合意した日、機器を使用できるようになった日、初回の料金を支払う日は、それぞれ異なる場合があります。

たとえば、3月に設置が完了して使用できる状態になり、初回の支払いが4月なら、会計上の開始日は3月となることがあります。実際の操作を始めた日ではなく、使用可能となった日が基準です。リース開始日は、契約の締結日や支払日とは役割の異なる日付です。

リース期間

りーすきかん

設備を借りて使う期間です。契約実務では、開始日から満了日までを月数や年数で示し、料金の支払回数や更新、返却などの条件と結び付けて定められます。

たとえば、機器を5年間借りる契約では、契約上のリース期間は通常60か月です。同じ機器でも利用する期間によって月額料金が変わることがありますが、期間は料金計算だけでなく、借手が使える権利や支払う義務の範囲にも関係します。

新リース会計基準の「借手のリース期間」は、当初の契約期間に加え、延長が合理的に確実な期間なども含む会計上の期間です。また、税務で定める法定耐用年数や、実際に機器を使った年数とは別です。リース期間が何を指すかは、契約・会計などの文脈によって区別されます。

リース期間定額法

りーすきかんていがくほう

法人税上の所有権移転外リース取引で取得したものとされる資産について、リース期間を基に減価償却の限度額を計算する方法です。通常の購入設備と異なり、法定耐用年数ではなく、契約のリース期間を使います。

続きを読む→

リース契約書

りーすけいやくしょ

貸手と借手の間で、設備の利用条件や料金、管理責任などを定める書類です。対象物件、期間、支払条件に加え、中途解約、事故、満了後の扱いなどが記載されます。

物件や金額を示す別表と、共通の契約条件を示す約款、個別に合意した特約などで構成される場合もあります。月額料金の提示だけでなく、機器の保管や返却、契約を途中で終える際の負担など、当事者の権利と義務を示す役割があります。

利用企業とリース会社が結ぶリース契約は、リース会社と販売会社との売買契約や、利用企業が保守会社と結ぶ契約とは別です。注文書が物件の購入を申し込む書類、物件借受証が納品後の受入れを表す書類であるのに対し、リース契約書は貸借の条件を定めます。

リース債務

りーすさいむ

主に旧リース会計基準で、借手がファイナンス・リースの料金支払義務について計上する負債です。設備に対応するリース資産とともに、貸借対照表へ記録します。

続きを読む→

リース資産

りーすしさん

リース取引により、借手が取得したものとして会計上計上する資産などを指します。旧リース会計基準では、ファイナンス・リースの対象をリース債務とともに計上し、減価償却によって各期間の費用に配分します。

続きを読む→

リース審査

りーすしんさ

リース会社が申込みを受け、契約を引き受けられるか、どのような条件にするかを判断する手続きです。利用企業の事業や支払能力、導入する設備、金額、希望する期間などが検討の対象になります。

審査では、会社概要、決算関係の資料、機器の見積書などが使われる場合があります。リース会社は機器を先に購入し、その後の料金で費用を回収するため、申込企業と対象物件の両方を基に契約を引き受けるか判断します。

必要書類、審査方法、保証の要否などは、リース会社や申込みの状況によって異なります。料金を提示する見積もりとは別の手続きで、機種、台数、金額、期間の変更が再審査などにつながる場合もあります。審査は、物件の性能検査ではなく契約の引受判断を指します。

リースの契約条件の変更

りーすのけいやくじょうけんのへんこう

新リース会計基準で、当初の契約条件にはなかったリースの範囲や対価の変更を指します。双方の合意によって対象設備を追加する、使用する範囲を縮小する、契約期間を延長・短縮する、といった変更が該当します。

たとえば、別の機器を追加し、その独立した価格などに対応して料金も増える場合は、会計上、元の契約とは独立したリースとして扱うことがあります。それ以外では、変更後の条件に応じてリース負債や使用権資産を修正します。

当初から契約にある延長オプションの行使や、定められた指数に連動する料金の変動は、この意味での契約条件の変更とは区別されます。新たな合意で権利・対価を変えることと、既存の条件が実際に適用されることは別のものです。

リースの識別

りーすのしきべつ

契約の全部または一部に、会計上のリースが含まれているかを判定することです。新リース会計基準では、特定された資産の使用を支配する権利が、一定期間、対価と引き換えに移転するかが基準になります。

続きを読む→

リースバック

りーすばっく

自社が所有する設備をリース会社などへ売却し、その設備を引き続き借りて使う取引です。セール・アンド・リースバックとも呼ばれ、ここでは法人向け設備を対象としています。

利用企業は売却代金を受け取る一方、その後は借手としてリース料を支払います。設備の設置場所や業務上の使い方を変えずに利用を続ける場合でも、所有者と資金の流れが変わる点が特徴です。

通常の設備リースが新たな機器の調達から始まるのに対し、リースバックは既に持っている設備の売却と貸借を組み合わせます。新リース会計基準では、売却の要件や取引の実質によって、売買ではなく資金の借入れに相当する金融取引として扱う場合もあります。契約上の売却と会計上の判定は別です。

リース負債

りーすふさい

借手が将来支払うリース料について、新リース会計基準などに基づいて計上する負債です。設備を使う権利を表す「使用権資産」とともに、契約から生じる支払義務を貸借対照表へ示します。

続きを読む→

リース満了

りーすまんりょう

契約で定めたリース期間が終わることです。設備の故障や寿命ではなく、契約上の利用期間の終了を表す言葉です。

満了後の扱いには、機器を返却する、同じ機器を再リースする、契約の条件に従って所有権を移す、といった形があります。期間が終わることと、機器が自動的に自社の所有になることは別です。再リースする場合は、継続する期間について新たな料金が生じます。

満了日、最終の支払日、返却日、更新や終了を申し出る期限は、同じ日とは限りません。自動更新の条件を設ける契約もあり、満了後の継続はその条件に従います。また、本体のリースと保守が別契約の場合は、リースの満了がそのまま保守サービスの終了を意味するものではありません。

リース料

りーすりょう

設備などを借りて使う対価として支払う金額です。法人向け設備のファイナンス・リースでは、物件代金の回収分、資金調達の費用、固定資産税、保険料などを考慮して設定されます。

月額、年額など契約で定めた単位で支払い、毎回同じ額を支払う場合のほか、当初から異なる支払額を定める場合もあります。複合機では、本体のリース料とは別に、印刷のカウント数に応じた保守料金がかかることがあります。

リース料は利用の対価ですが、会計上その全額が毎月の費用になるとは限りません。新リース会計基準では、借手は原則として支払いを負債の返済と利息に分け、使用権資産の減価償却を別に計上します。契約上の料金と、会計上の費用は異なる概念です。

リース料支払明細書

りーすりょうしはらいめいさいしょ

リース契約の支払日、回数、金額などを一覧にした書類です。期間中に、どの料金をいつ支払うかを示し、リース会社によって名称や様式が異なります。

契約番号、対象物件、期間、月額、税額、支払総額などが主な記載内容です。初回や最終回だけ支払額が異なる契約でも、各回の予定を明細として示すことができます。実際に引き落とされた事実を示す通帳などとは異なり、契約上の支払予定を表す資料です。

必要事項を満たす場合には、適格請求書として利用されることもあります。また、機器の入れ替えで旧契約の精算分と新契約の料金を合わせて支払う場合は、それぞれの内訳が記載されます。一つの支払いを、対応する契約や料金に分けて表す役割があります。

リース料率

りーすりょうりつ

リースする機器などの価格に対して、リース料がどれくらいの割合になるかを示す数値です。月額リース料率は「月額リース料÷物件価格×100」で求めます。

たとえば、税抜きの物件価格が100万円で、月額リース料率が1.8%なら、月額リース料は1万8,000円です。60回支払う契約ではリース料総額が108万円となり、物件価格に対する期間全体の割合である「総料率」は108%になります。

一般的な設備のファイナンス・リースでは、リース料に物件代金の回収分や金利、固定資産税、保険料などが含まれます。そのため、リース料率は利息だけの割合を表す金利とは意味が異なります。

利息法

りそくほう

未返済の元本残高に一定の利率を掛け、各期間の利息相当額を計算・配分する方法です。リース負債などについて、支払額を利息と元本返済に分ける際に用いられます。

たとえば、期首残高30万円、年利5%で、年末に11万円を支払う場合、利息は1万5,000円、元本返済は9万5,000円です。期末残高は20万5,000円となります(例・税等を省略)。次の年は、減った元本残高を基に利息を算定します。

支払額が毎回同じなら、元本が減るにつれて利息部分は小さくなり、元本返済部分が大きくなります。利息法は利息の配分方法であり、使用権資産などの減価償却とは別です。資産を定額法で償却していても、利息まで毎期同じ金額になるわけではありません。

リユース

りゆーす

使用済みの機器などを、製品として再び使うことです。使用可能な製品をそのまま、または点検・整備して利用する形を指し、材料に戻して再生利用する「リサイクル」と区別されます。

リースでは、満了した設備を再リースして同じ企業が使い続ける場合や、返却された機器を別の利用者へ貸し出す場合、中古品として販売する場合などがあります。契約期間が終わっても、設備に利用できる価値が残っていれば、次の用途へ回されます。

パソコンや複合機などの再利用には、前の利用者のデータ消去や管理登録の解除が関係します。また、リユースは製品の使い方を表す言葉であり、売却や譲渡の権利を示すものではありません。リース物件を誰へ渡せるかは、所有権や契約の条件によります。

レベルアップ契約

れべるあっぷけいやく

リース中の機器を入れ替える際、旧契約を合意解約し、その残額などと新しい機器のリース料を合わせて支払う形の契約です。機器の更新と、旧契約の精算を組み合わせます。

続きを読む→

レンタル

れんたる

提供会社が用意する機器などを、必要な期間借りるサービスです。研修中だけパソコンを増やす、一定期間の事務所で機器を使う、といった用途があり、短期だけでなく長期の商品もあります。

提供会社の保有する機器から選ぶ形が代表的で、選べる機種・台数、最低利用期間、延長、途中返却、故障時の対応などは商品によって異なります。利用企業が選んだ機器をリース会社が新たに購入する設備のファイナンス・リースとは、調達の仕組みが異なります。

レンタルはサービスの呼び方で、会計上の分類そのものではありません。特定の機器を使う権利が移る契約では、新リース会計基準の対象になる場合があります。会計上の「短期リース」は期間や購入権に関する定義があり、レンタルと同義ではありません。

割引率

わりびきりつ

将来受け取る、または支払う金額を、現在の価値へ換算するために使う利率です。将来の金額から、時間に対応する利息相当分を分ける計算に用いられます。

たとえば、1年後に支払う11万円を年10%で割り引くと、現在価値は10万円です。この換算は現在時点の価値を求めるもので、将来支払う11万円が値引きされるわけではありません。

新リース会計基準では、借手のリース負債を計算する際に割引率を用います。借手が貸手の計算に使われた利率を知り得る場合はその利率を、知り得ない場合は追加借入利子率を使います。物件価格に対する月額料金の割合である「リース料率」とは異なり、将来の支払額と支払時期から現在価値を求めるための数値です。