有線LANは、パソコンやプリンターなどをケーブルでつないだネットワークです。オフィスの共有フォルダーへ資料を保存したり、離れた席から複合機へ印刷したりするときに使われます。代表的な通信規格がEthernet(イーサネット)です。
有線LANでできること
印刷する文書や共有ストレージへ保存するファイルのデータは、パソコンからLANケーブルを通って相手の機器へ届きます。Webサイトやオンライン会議を使う場合は、社内LANからインターネットへ接続します。
社内の機器をつなぐのがスイッチ
スイッチは、パソコンやプリンターなどを接続し、機器の間でデータを届ける装置です。
別のネットワークへつなぐのがルーター
社内LANと外部のネットワークなど、異なるネットワーク同士をつなぐのがルーターです。スイッチの機能を一緒に備えた製品もあります。
同じLAN内のプリンターへの印刷や共有ストレージへの保存は、インターネットを通らずに行うことができる構成があります。外部のWebサイトを使うことができない場合は、社内の機器へ接続することができるか確かめてください。各機器の利用には、設定やアクセス権も必要です。
同じLAN内の複合機へ印刷する場合は、例えば「パソコン→スイッチ→複合機」の順でデータが届きます。共有ストレージへ保存するなら、最後の接続先が保存先に変わります。社内でも別のネットワークに分かれている場合はルーターなどを通るため、実際の経路は構成によって異なります。
外部のWebサイトやオンライン会議では、社内のスイッチからルーターなどを通り、契約回線を経由してサービスへつながります。「共有フォルダーだけ遅い」「外部サイトだけ使えない」といった違いを担当者へ伝えてください。どこまで通信することができるかが、調べる経路を絞る手掛かりになります。
PCからネットワークまでの接続
壁のLAN口へケーブルを挿すと、その先には壁や床の中を通る配線が続いています。固定配線を使うオフィスでは、パソコンから次のような経路でスイッチへつながります。
パソコン手元の機器ケーブル
情報コンセント壁などのLAN口固定配線
パッチパネル配線をまとめる接続盤ケーブル
スイッチ機器同士をつなぐパソコン → 手元のLANケーブル → 壁の情報コンセント → 壁・床の中の固定配線 → パッチパネル → ラック側のケーブル → スイッチ
情報コンセントは壁などにあるLANの差込口です。パッチパネルは建物内の配線をまとめ、スイッチへつなぐための接続盤です。どちらも配線の接続点で、スイッチのようにデータを振り分ける機能はありません。
パソコンからスイッチへ直接つなぐオフィスもあります。また、壁の差込口には未接続のものや、用途を限定しているものがあります。つながらない場合は、差込口の番号やラベルを社内の担当者へ伝えてください。共用ラックの配線や設定は、担当者に確認してから変更しましょう。
LAN端子・通信方式・配線性能の違い
「1Gbps」は通信速度、「Cat6A」はケーブルや接続部の性能区分です。同じ形の端子でも、対応する速度や配線性能は製品によって異なります。
| 確認する項目 | 100BASE-TX | 1000BASE-T | 2.5GBASE-T | 5GBASE-T | 10GBASE-T |
|---|---|---|---|---|---|
| 規格上の 通信速度 | 100Mbps100メガビット/秒 | 1Gbps1ギガビット/秒 | 2.5Gbps2.5ギガビット/秒 | 5Gbps5ギガビット/秒 | 10Gbps10ギガビット/秒 |
| ポートの例 | 8極モジュラー | ||||
| 使うための条件 | 100Mbpsに対応する両端の機器と配線 | 1Gbpsに対応する両端の機器と配線 | 2.5Gbpsに対応する両端の機器と配線 | 5Gbpsに対応する両端の機器と配線 | 10Gbpsに対応する両端の機器と配線 |
| 表示の種類 | 表していること |
|---|---|
| 8極モジュラー端子 | 差し込む部分の形 |
| 1000BASE-T、1Gbpsなど | 通信方式と通信速度 |
| Cat5e、Cat6、Cat6Aなど | ケーブルや接続部に求められる配線性能 |
デスク周辺の銅線LANでは、次の通信方式が使われます。端子はいずれも8極のモジュラー形状なので、対応する速度は仕様表で確認してください。
| 通信方式 | 規格上の通信速度 | 使用する条件 |
|---|---|---|
| 100BASE-TX | 100Mbps | 両端の機器と配線が対応する |
| 1000BASE-T | 1Gbps | 両端の機器と配線が対応する |
| 2.5GBASE-T | 2.5Gbps | 両端の機器と配線が対応する |
| 5GBASE-T | 5Gbps | 両端の機器と配線が対応する |
| 10GBASE-T | 10Gbps | 両端の機器と配線が対応する |
Mbps・Gbpsは、1秒間に送るデータの量をビットで表す単位です。1Gbpsは1,000Mbpsです。表の数字は通信方式の速度で、ファイルコピーやインターネットで実測する速度とは異なります。
パソコンに表示される「リンク速度」は、直接つながる相手との一つの区間の速度です。保存先までの別の区間や回線の混雑、保存先の読み書き性能を表す値ではありません。1Gbpsで接続していても、ファイル転送が常に1Gbpsになるとは限らないため、遅い処理と接続先を分けて確認してください。
通信速度は、PCと接続先の両方で決まる
パソコンとスイッチは、接続したときに双方が使える通信方式を選びます。この自動的なやり取りを「オートネゴシエーション」と呼びます。
1Gbpsにも対応する2.5Gbpsのパソコンを最大1Gbpsのスイッチへつなぐと、配線などの条件がそろえば1Gbpsで通信します。社内LANを高速化する場合は、パソコン・スイッチ・その間の配線を、使いたい速度に対応させてください。
Ethernetの簡単な歴史
Ethernetは1973年に生まれ、1983年にIEEE 802.3として標準化されました。扱うデータが増えるのに合わせて高速化し、現在は同じ形のLAN端子でも、複数の通信速度が使われています。


ルーター別のネットワークへ接続
8極モジュラー